以前つけていた読書記録のブログを整理しています。この本は2019年に読んだ本です。ブログの内容もそのブログからコピペしています。

 

 

こちらはエンデが晩年テーマとして取り上げていた事が多かったお金についての話題がまとめられている本です。経済関係の本と言っても良いと思います。

 

この本が出版されたのは2001年。19年前です。段々と日本の経済はこうなっていくだろうと予測されていた事がその通りになっていて、何故国は回避する事が出来なかったのだろうと思います。

 

同じお金でもパン屋のお金とカジノのお金は違う。パン屋が手にするお金は対価ですが、カジノで手にするお金は不幸になった人から回って来たお金(銀行や投資の利子も同じだと言っています。)です。

 

「環境破壊はお金になる」「地球上の5分の1はどんどん金持ちになり、残りはどんどん貧しくなっていく」「チューリッヒの街はきれいなのか?」考えさせられる話題が多かったです。

 

随分前に読んだ「モモ」についての話もありました。「効率的になっても心のゆとりを忘れてどんどん薄っぺらいものになっていく生活」、「精神の自由がない世の中」......本当にその通りだと思います。大人だけでなく、子供なのに夢を持っていない子も多いと感じます。

 

最後に衝撃的だったと言うか、エンデらしいなと思った話がありました。病床に伏していた時、エンデは死の世界に関する本を読んでいたそうです。そして、「知らない世界に行く事が楽しみ」と語ったそうです。おそらく彼は本当にそう感じていたのでしょう。

 

どんな事であっても味方を少し変えるだけで違う受け止め方は出来ますが、ここまで出来るとは流石エンデです。