朝ー

父は、普通の枕をしていて
高いびきをかいていた。

それでも、
おはようと声をかけると
うんうんと頷く。

呼吸は、苦しそう。

口の中を覗きこむと
舌が落ち込んでいる。

舌を押さえてみると
乾燥して喉に張り付いた感じになっている。

お茶スプレーで潤してから
枕をどかして
バスタオルを畳んだものに変え
しっかりと頭を横向きにする。

身体が熱いので
熱を測ると37,9度。

時間がないので、
まっちんに氷枕と横向きを保つように
頼んで出かけた。

教室後に連絡すると
サーチュレーションが90まで下がったので
酸素マスクをつけたという。

母と叔母たちを乗せて病院へ

ついた途端、
痛みを感じる表情をするので、
痛み止めの点滴を早めてもらう。

薬が効くまで
背中をさすったり、
手を握ったり。

薬は早く効くのだが
それでも、その間がもどかしい。

父の痛みがひいて
呼吸も楽になってきたら、

私たちも
お昼のパンを食べる。

「こんなときでも、おいしいね」
と母がいうニコニコ

そうそう、
今ここに集中しないとね。
食べているときは、その味に。
美味しいものは、美味しいと感じなきゃウインク

体位を変えてもらったり
歯科の手入れをしてもらったりして
上向きになった後は、
どうしても舌が落ち込んで
呼吸を邪魔する。

看護師も、
私たちの話を聞いて
手袋をはめて舌を押さえてくれる。
その後は、
いびきをかくこともなく
静かな呼吸となる。

父には、
後屈の気道確保は不向きなようで、
今日は、枕を使わず
顔はしっかり横向きでと
お願いしてきたよ。

熱はどうしても腫瘍熱として
でるのかな。

そういう受け入れていくところと、
手足など拘縮させないよう
一日に何度か関節を曲げ伸ばしする努力など、
何が必要か
きちんと見極めて行かなければならないな。