十五.月下老人の腕輪(3) | のあのあlife

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『雲が描いた月明かり(구르미 그린 달빛)』に史上最強にどハマリしてしまい♡2017年も自分の勉強兼ねて原作小説を翻訳しつつ、パク・ボゴム君とキム・ユジョンちゃんのボユカップル、密かに熱烈に応援中です~♡(笑)
2021年4月、またこのブログ再開します☆

夜と明け方の交差する薄明るい時間、ビョンヨンは燈籠が派手に吊り下げられている邸宅を見上げながら聞いた。

「ここに違いないのだな?」

その問いに、手下は頭を深く頷かせた。

「香徒契(ヒャントゲ)の一団がここに頻繁に出入りしております。何人かの奴を捕まえて尋問してみた結果、ここが根拠地だということを確認いたしました。それと共に(トハン)、奴らを主導する頭の一人が今ここに隠れていることも分かりました。」

手下の報告する声に、ビョンヨンの眼光が深くなった。

「どんな奴だ?」

「サモクという者でございます。」

蛇目(サモク)。蛇のように冷たく、冷酷な者だった。

「確かか?」

「間違いありません。」

ビョンヨンが頷いた。

「大逆無道(テヨクムド)者に、その罪を償わせるのだ。」

彼の背後で侍り立っていた五十人もの男たちが一斉に腰を下げた。答える声はなかったが、一糸乱れずの動きから、長期間の訓練を受けている者たちであることが見て取れた。

「もし・・・これを・・・・。」

手下がビョンヨンへと覆面を手渡した。

「必要ない。」

ビョンヨンは覆面を受け取る代わりに、背に担いでいたサッカッ(笠)を被った。

「そのサッカッ(笠)、最近よくお使いになられていらっしゃるようです。特別な理由でもおありなようですね?」

手下の問いかけに、ビョンヨンはサッカッ(笠)を掴んだ手を止めた。

特別な理由だと?

特にそんなつもりはなかった。ただ、ラオンから初めて贈られた・・・もしかすると、最後となるかもしれない、贈り物だった。

ビョンヨンは答える代わりに、手でサッカッ(笠)を深くかぶった。どこからか来た黒くもが月を遮った。瞬間、ビョンヨンが地面を蹴飛ばして飛び上がった。塀を越える姿は、空を飛ぶ鳥のように軽かった。その後ろに着いて、覆面を被った手下たちも塀を越えて行った。

しばらくして、邸宅のあちこちから、差し迫った声が漏れ聞こえて来た。

「だ、誰だ!?」

「うわっ!」

悲鳴が尽きぬうちに、扉の開く音とともに、刃物を抱えた男たちが、どっと押し寄せて来た。平凡な士大夫(サデブ)の邸宅からは想像もできない素早い対応。このような事態に備えて十分な訓練を受けた者たちだということを意味していた。すぐに、彼らと覆面との激しい戦いが始まった。部は邸宅から出て来た男たちの方が優勢だったものの、実力は覆面の者たちの方がはるかに高かった。二つの集団が、複雑に絡み合い、熾烈な戦いが繰り広げられた。

 

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とりあえずここまで・・・

 

なかなか進んでおらずすみません~★

この部分が終わるとまた面白くなる!から頑張る!!