十三.世子邸下が朝寝坊する理由(1) | のあのあlife

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『雲が描いた月明かり(구르미 그린 달빛)』に史上最強にどハマリしてしまい♡2017年も自分の勉強兼ねて原作小説を翻訳しつつ、パク・ボゴム君とキム・ユジョンちゃんのボユカップル、密かに熱烈に応援中です~♡(笑)
2021年4月、またこのブログ再開します☆

夜も更けた頃、誠正閣(ソンジョンガク)から時ならぬ低い悲鳴が流れ出て来た。

「なぜ・・・・・なぜ、このようなことをなさるのですか?」

斜めに座り込んだラオンが、震える声で言った。彼女の前には半裸姿のヨンが広い背を向けたまま立っていた。

どうしてこうなったんだっけ?

ラオンは今までのことを振り返って思い出してみた。花草邸下(ファッチョチョハ)について誠正閣(ソンジョンガク)に来て、気楽に考えていた使節団たちの訪問が、実は隠された底意があったってことに驚いて、邸下(チョハ)がその全ての底意を見抜いていらっしゃったってことには、もっとびっくりした。そこまでは順調だった。寝に行くぞという言葉に緊張している事実をうっかり忘れてしまうくらい。しかし、その後から、雰囲気がおかしくなっていった。夜食として出た薬菓(ヤックァ)を食べる時、ヨンの居所をかこっていた人の気配が、ぱっと消えてしまった。そしてその直後に事は起きた。蝉が皮を脱ぐように、突然ヨンが、服を脱ぎ始めたのだ。

さらり、さらり、絹の擦れる音とともに、袞龍袍が流れ落ちた。雪のように白いチョゴリを脱ぐと、肌が透けて見える内衣(ソクチョゴリ)が現れた。ヨンの足元に絹の服で山ができた。そしてついに、ラオンの目の前にヨンの上半身が太古の姿で現れた。

男の背中とは、元々あんなにも美しいものなの?腕の良い匠(チャンイン)が長い月日をかけて彫り上げた彫刻像はあのようなものかしら?

生きている人のものだとも思えないようなヨンの魅力的な美しさに、ラオンはそのまま息をすることもまさに忘れるほどだった。

「い・・・いったい何をなさっていらっしゃるのですか?」

脱皮でもしたかのように、着ている内衣(ソクチョゴリ)まで全て脱いだまま、背を見せているヨンに向かって、ラオンが悲鳴を上げるように聞いた。

どうしていきなり服を・・・・。このまま私に乗りかかってきたらどうする(オッチョジ)?ここで声を上げるべき?いいえ、そんなことして、正体がバレてしまったら・・・・?あぁ、考えるだけでも嫌だわ。

ラオンは恐ろしい想像に、無意識に頭を振った。肩越しに振り向いたままそっとその様子を見ていたヨンが、無関心な口調で言った。

「そう言うお前の方こそ何をしている?」

「はい?」

「急いで寝衣(チミ、チムウィ)を持って来ることもせず何をしているのだ?」

一瞬、虚を突かれた人のようにラオンは間抜けな表情になってしまった。

寝衣?寝衣といえば・・・・・寝る時に着る・・あの?ということは、私を相手に何かをしようということじゃないってこと?ふぅ・・・。よかった。

すっかり緊張していたラオンは、額に書いた冷や汗を拭くと、安堵のため息をついた。

「あの後ろにある螺鈿(チャゲジャン:らでん:貝殻の真珠色の光沢のある部分を薄く種々の形に切り取ったもの)箪笥を開ければあるはずだ。」

「え?あ、はい。」

ラオンはヨンが指した螺鈿箪笥を開けた。眩しいほど真っ白な寝衣(チャムウィ)がその中にぎっしりとしまわれていた。

「それをこちらへ持ってまいれ。」

「はい?」

依然として素肌のヨンの背を見ていたラオンは、ふり返った。一山越えても山だなんて。今までずっと男装したまま、男のように生きて来たが、男の裸体を見たことは今日が初めてだった。ものすごい緊張で心臓が狂っているように飛び跳ねた。そんなことなど知る由もないヨンが、淡々とした声で、もう一度催促した。

「こちらへ持って参れと言った。」

「・・・・・・・はい。」

ラオンは寝衣を手に持ったまま、戸惑った足取りでヨンの方へと近づいて行った。一歩一歩、近づいて行くヨンの素肌の背中が、少しずつ、大きく近づいて来た。彼の長い首と、強靭な肩が夏の日差しのように、キラキラと輝く肌も、とても鮮明に見えた。自分でも気づかぬうちに、口の中では唾を飲み込んだ。寝衣を持つ手が、ふるふると震えた。ヨンの真後ろで立ち止まったラオンは、どうしたらよいのか分からないまま慌てた。

ヨンが待っていたとでもいうように、両腕を広げた。

「早くせぬか。」

長い間、君臨して生きて来た者の、自然な動作。ラオンは、持っていた寝衣をそっと慎重に広げ、ヨンの腕へと通した。さらり。蝉の羽で作られたような柔らかな絹の端が、ヨンの指先へと水が流れるようにするりとすべりつたっていった。血管が盛り上がった手の甲に沿い、すべらかな肌を登り、砂漠の砂山の先のように白く柔らかな曲線を描いた上腕に出会うことができた。

つんつんと、彼の素肌に指先が触れる度、ラオンは雷にでも打たれたように、びくっと、縮まらざるを得なかった。息が詰まるように、上腕の屋根を上り切った寝衣は、いつの間にか、木の根のような、筋肉ががっちりとした肩へと向かった。今までとは違う、がっちりとして入るが、弾力のある感触に、ラオンは無意識に息苦しくなった。寝衣を掴む指先が、ヤマアラシが震えるかのように震えていた。全身の神経を指先へと集中させた。少しでも、ヨンとの接触を減らそうと、ラオンは全力を出し切っていた。

まさにその時だった。ヨンがだしぬけに、ラオンの小さな手をがっちりと掴んだ。

「あっ!」

ラオンは、飛び出してきそうになった悲鳴を飲み込むために、口を押えた。ヨンに手を掴まれたまま、ラオンは見上げた。一瞬、彼女を見下ろしているヨンと視線がぶつかった。くすぐったい息遣いが、額に当たった。柔らかいが、ぴりっとするような感覚に、息がぐっとなりそうだった。ずっと耐えていた心臓が、怒った獣のようにまた暴れ出した。万が一にも心臓の音を聞かれたらと、ラオンは後ろへと下がろうとした。しかし、ヨンが許さなかった。彼が少し意地の悪い顔でラオンを見つめた。彼の目が、彼の華が、彼の唇が・・・・今にも触れそうなほど近くへと近づいた。

瞬間、全てのことが停止したように感じられた。時間が止まってしまったようだった。息がさらに苦しくなった。見えない手に、息を止められているかのように、息苦しかった。意識まで届きそうになった瞬間、

ヨンが口元を丸く開くと、笑みを浮かべた。

「コイツ(ニョソク)。」

ヨンは、かちかちになったラオンの手から、寝衣を受け取ると、着た。

「何をそんなにも緊張しているのだ?」

 

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!!!!!!!!!!!

「何をそんなにも緊張しているのだ?」

 

 

寝衣を着せる宦官のお仕事なだけなのに・・・

   めちゃめちゃ緊張します~~~~~(笑)(笑)もじ(´pq`*)三(*´pq`)もじ

 

 

内衣を脱ぐと現れた・・・    

    ヨンの上半身の太古の姿(笑)(笑)(*>ω<*)テレルー