「その時以来、時間がある度やって来てはあれこれ口実をつけては苦しめるのです・・・・。」
悔しそうに、ウォリがまた涙を浮かべた。ラオンは自分でも気づかぬうちにそっと笑ってしまった。男どもは年を取って体格は大きく育ったと言っても、皆が大人になるわけではなかった。大人にならない男は、依然、子供と何も変わりなかった。いや、ひょっとすると、ウォリを好きなあの男が、あまりにも純朴でそうなのかもしれなかった。
「これは私の考えなのですが、その方は、ウォリ医女様が好きなのではないでしょうか。」
「はい?」
ラオンの言葉に、ウォリが目をまん丸く開いた。
「そんなはずがないです。」
「私が見るに、そう見えるのです。あの方がウォリ医女様を好きなのは間違いないです。」
「いいえ(アニョ)、絶対にそんなはずはないです(チョルテ クロル リ オプソヨ)。いつも私を見ると、大きな声を上げて目をぎょろぎょろとさせるのです。一度だって丁寧に接してくれたことはないのですよ。」
「男たちの中には、好きだと、むしろ意地悪に振るまってしまう人もまれにいるんです。」
「なぜですか?」
「う~ん。」
そんなことは私だって知りたいです。一体なぜそんな風に意地悪することで好きな気持ちを表すのか。
***
チェ・ジェウは最初とは違い、勢いが全くなくなっている状態だった。居所に戻って彼と向かい合って座ったラオンは、単刀直入に聞いた。
「ウォリ医女がお好きなのですね?」
チェ・ジェウの顔が一瞬で真っ赤になった。あえて返事を聞かなくとも彼の気持ちがどうなのかは充分に察することができた。低くため息をついたラオンが、口を開いた。
「うちの祖父の仰ることには(ウリ ハラボジッケソ マルスムハシキル)、女人(ヨイン)とは割れやすい器のようなものだと。」
「どういうことだ?」
チェ・ジェウの顔が険しくなった。
「割れやすい器をぞんざいに扱うと、簡単に割れてしまうように、か弱い女人に厳しく接すると、かえって女人を怖がらせてしまうのです。気持ちを表現することは良いことです。でも、あまりに激しく気持ちを表してしまうと、恐れて逃げてしまうのが、女人(ヨイン)というものです。特に、か弱いウォリ医女様のような方にはなおさら。」
「しかし俺の友たちの言うことには、女人とは悪い男(ナップン サネ)が好きなのだと。あまりにも良くしてやると、むしろ嫌がられてしまうとか・・・・。」
ラオンが断固として首を振ると、強調して言った。
「人の顔が皆違うように、女人の好みも多様なものです。悪い男が好きな女人もいれば、自分によくしてくれる男が好きな女人もいるのです。一度考えてみてください。従事官(チョンサグァン)がそのように手荒に扱った時、ウォリ医女様は嬉しそうでしたか?」
「し・・しかし、それはただそういうふりだと、訳もなく好きでも嫌いなふりをするんだと言っていたが・・・。」
「誰がそのようにおっしゃったのですか?」
「俺の友たちが・・・・。」
ラオンはため息をついて言った。未熟な巫女が人を殺すのだと、中途半端に知っている人が一番怖いものだと昔から言うではないか。あちらこちらで聞いてきた話から、女人はこういうものだという偏狭な視線で女人を見ていくうちに、実際とは違ったとんでもない助言をしてしまったに違いない。
「ふりではありません。女人が嫌だと言う時は、本当に嫌でそのように言うのです。従事官(チョンサグァン)がそのように乱暴になさるものだから、ウォリ医女様も、自分が嫌いでそのようにされるのだと思っていらっしゃいますよ。」
「そんな・・・・・!」
チェ・ジェウの顔色が蒼白になった。
「で・・・ではどうすればよいのだ?」
チェ・ジェウの表情がたちまち穏やかなものになった。大きな目をぱちくりとさせているのが、おとなしい雄牛を連想させた。ラオンは自分でも知らぬうちに笑いが吹き出してしまうことを抑えつつ、言った。
「気持ちをはっきりとおっしゃってください。直接言葉にしないと伝わらない場合もたくさんあるのです。」
「しかし、そんなふうにすると女人はむしろ嫌がると・・・・。」
「きっぱりと申し上げますが!お友達の言葉は無視された方が良いと思います。」
「しかし俺の友たちが言っていたのだが、漢陽(ハニャン)の有名な妓生(キーセン)宿には全て通っていた奴らだから、女人に対しては誰よりも良く知っていると・・・・。」
「それで、どうされるのですか?ウォリ医女様と仲良くなれたのですか?」
ラオンの問いに図星を指されたチェ・ジェウは、言葉を発することもできず項垂れた。しばらくして、彼が馬鹿正直な顔で再び口を開いた。
「一つだけ、聞きたいことがあるんだが。」
「おっしゃってください。」
「ウォリ医女とはどんな関係なのだ?」
彼の問いかけに、迷わずラオンが答えた。
「ウォリ医女様と私は、良い友(トンム:仲間)です。
「友(トンム)?友(トンム)だと言うのだな?」
チェ・ジェウの顔が満月のように明るくなった。どこか安心したように、彼がラオンの手をがっしりと握った。
「こうしてみると、お前(チャネ)、本当はいい奴(チャムロ チョウン サラム)みたいだな。」
その時、ラオンの手を掴んでいたチャ・ジェウとかれの分厚い手をぎこちない視線でじろじろと見ていたビョンヨンが、こそっと二人の間に割り込んだ。
「今緊急を要することはこっちじゃないようなんだが?」
ビョンヨンの言葉に、振り返ってみると、いつの間にかウォリが部屋の扉の前に立っていた。
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「女は皆悪い男が好きだと聞いたのに・・・。」
「では、それでウォリ医女様は喜ばれましたか?
悪い男が好きそうでしたか??」
・・・・・泣いてばかりだったウォリ・・・
「はっきりと気持ちを伝えてみてください。
関係ですか?
あぁ、私とウォリ医女様は、仲のいい友です。」
「友?そうか!!友だよな?」
「お前、こうしてみるといい奴だな☆」
(笑)(笑)(笑)チェ・ジェウの単純さが可愛い(笑)(笑)(笑)
ところでラオン・・・・
意地悪することで好きな気持ちを表す男たち・・・
自分もなんだけどね~~~(笑)
自分の時は全く、気付かないのよね(笑)(*´艸`*)
自分に良くしてくれる人が好きな女人もいる・・・
これから・・・そんな人も出てきますよ♡
・・・その時、ラオンはどんな態度なんでしょうね??(ㆁωㆁ*)
楽しみ~♡