「話があります。」
チェ・チョンスが、そう言うだろうと分かっていたかのように鼻で笑った。
「ここまでくると、十に九は、ちょっと待ってと前置きをするものだ。何だ?今になって止めると?よせ。入ってくるのはお前の勝手だが、出るのは違う。」
「必ず聞かなければならない話です。私の話を聞いてくだされば、考えが変わるでしょう。」
チェ・チョンスの目つきが細くなった。
「何の話だからとそうなるのだ?つまらぬことを言う・・・・。」
「さっきまさにおっしゃったのは、鼓子(コジャ)になると自ら志望して入って来た者にされることじゃないですか?」
「そうだ。」
「しかし・・私はそのような志望をしたことがないのですが。」
「何?」
「鼓子(コジャ)になるなどという要望を、一度もしたことがないのです。」
ばっさり切ってもらいたくても、切るその何かがないのです。内侍になりたくとも、絶対になることのできない身体だということなのです。
ラオンは、喉まで出てきそうになった言葉を、ごくりと飲み込んだ。
「何だと?鼓子(コジャ)になるなどという要望を、一度もしたことがない?」
ラオンの言葉に、チェ・チョンスが慌てた表情で聞いた。
「ございません。」
「ほほ。そんな訳がないぞ。おかしいぞ。実におかしい。」
チェ・チョンスは、首をぶんぶん振って、地下室の階段を踏みしめて上へと登った。しばらくして、戻った彼の手には一枚の紙が持たれていた。
「洪哥羅温(ホンガ ラオン)、お前じゃないのか?」
確認するようにチェ・チョンスは問うと、文書一枚をラオンの目の前に差し出した。数日前に四百両を受け取る代わりに、貴人へと書名した、ほんの些少な、文書だった。
「ここに書名した者が、お前じゃないのか?」
「私で間違いないですが。」
それの何が間違ったことなの?一体何の文書だからとこうするの?
ラオンはちゃんと確認するため、目を細めた。しかし・・・文書の最初の行に署名する時には見えなかった字が見えた。ラオンの眉間に一気に皺が寄った。
「婚書(ホンショ)?」
「そう。ホンショだ。宦官になるために去勢をする男どもから受け取る盟約書だ。この盟約書によると、手術を行う家庭で死んだとしても、誰にも責任を問うことはできない。去勢をした後は間違いなく、宮殿の宦官になるという誓いが盛り込まれているだろう。」
「そ、それはそんな意味だったんですか?」
「そうだと言っている。」
「で、では、ここへ書名したということはどうなるということですか?」
「どうなるとは何がどうなるんだ?さっき私が言った方法通りにお前の下半身をすぱっと切り捨てること以外ないだろう。」
「そんな・・・!」
ラオンの両目に、炎がぼわっと起きた。「ほんの些細な文書」と何度も強調した貴人の顔が浮かんできた。
あの男め!これのどこが些細な文書なの!
ぐっと拳を握ったラオンの顔の上に、三日月型の短刀が、現実味を帯びてきた。続いて、チェ・チョンスが何か面白い玩具でも発見したかのように、にこにこと囁いた。
「さぁ、もう準備はできたか?」
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ここでこの章半分・・。明日残り半分アップできると思います♪早くヨンに会いたいですね♡(笑)
香港MAMA2016でのユジョンちゃんとボゴムのプレゼンターやら、興奮さめやらず、先を先を読んでました!!о(ж>▽<)y ☆
でも最近リスニングはよく間違えてることがあるので、一歩一歩、慎重に勉強しなきゃです。(`;ω;´)
こんなんですが、よろしくお願いします♡
1/4文章訂正しました。