最低最悪な人間だって


自分を責める気持ちと


私も道を踏み外す事できるんだと



不思議な感覚に包まれていた。






少しの間だけ。


アプリで知り合って


こんな簡単に始まった関係なんて


きっとすぐに終わる。



彼に嘘がバレずとも、合わないな


違うなと思う瞬間がやってくるだろうし



やめたくなったらフルかフラれればいい



そう考え長くて半年という期限を

自分のなかで決めたのだ。






私は今まで尽くす恋愛をしてきたから


サプライズをされた事なんかなかったし



デートプランもいつも私が決めて

エスコートしていた。





けれど、彼は尽くしてくれサプライズも

してくれるタイプだった。



デートプランも率先してたててくれ

色んなところへ連れて行ってくれた。





彼からすると、今まで同様に

尽くす恋愛ばかりしてきたようで


元カノは気の強い子ばかりだったみたいだ。




だから私達はお互い尽くし尽くされ対等であり

感情的になってケンカする事も全くなかった。






『この人と普通に付き合って結婚したかったな』




そう思うまで時間はかからなかった。




彼の優しさや弱さを知る度


どんどん好きになっていく自分がいる。





あと10年早く産まれていたら。

あと数年早く出会えていたら。

色んな事を思った。





けれど



私は名前も年齢も別人で、

家庭がありいくら彼を愛してしまっていても


いくら彼が愛してくれても


その先に明るい未来は一切待っていないのだ。







彼といて『幸せ』と感じる瞬間はいつも


そんな事が頭をよぎりもう1人の自分が


内側から自分自身を蹴り飛ばしていた。












年が明け、彼と2人で初日の出を眺めたのは

もうすぐ5ヶ月記念日がやってくる頃だった。





在宅ワークで旦那が家にいるのをいい事に


子ども達を早めに寝かしつけ、


相変わらず彼の元へ。




旦那には友達のところへと嘘をつき


彼には仕事の帰りと嘘をつく。






いつものように、彼とテレビを観ながら


お酒を呑んでいると、




『同棲したいな。毎日会いたい。

 秋頃にはご両親に挨拶しようかな。

 同棲したいですって。』





と、言った。







同棲なんかできるハズもない。


両親に合わせる事もできるわけない。






その瞬間、私達の終わりが近づいた気がして


息がつまった。