緑色が好きだ

緑が好きなのではない

緑色が、好きなのだ

服から小物からありとあらゆるものが

緑色で揃えてしまう

それは何故だろうかと考えた時にふと

小学1年の頃を思い出す

家の外壁の塗装の塗り替えがあった

鮮やかな青がくすんで、白い粉を吹いているような外壁だった

何色にするか母は悩んでいた

そして何の気なしに私に何色が良いか尋ねてきた

私は緑色が良いと何の気なしに答えた

次の月、我が家に足場がかけられた

くすんだ青はすぐさま緑色に塗り替えられた

暗いグリーンだった

裏にある三郡山という山と似ている色

深く若さのない落ち着いた緑だった

その緑色がいまだに忘れられない

その緑色に固執して、器も緑色を選ぶようになった

だが、緑色の器はあまり流通していない

それは需要がないからだと思うが

器の表面に塗る釉薬で、緑色というのが希少なのだ

私は見つけた、三重県のある街で

調べてみると織部焼というのだそう

元は、美濃焼から始まり、織部という地名で焼いているから織部焼

そこでは年に一回、陶器市が開かれる

私は3年連続で通った

今年は通えるかな