介護予防についてご存じでしょうか。介護予防は、高齢者が要介護状態にならないように予防をする取り組みです。要介護状態を防ぐことで、高齢者は健康的に自分らしく生活することができます。また高齢者の家族にとっても、介護の負担をなくすことができ、大切な取り組みです。
では、介護予防の具体例とはどのようなものでしょうか。まずは高齢者向けの体操教室が挙げられます。運動機能の向上、転倒予防、認知症予防を目的としたリズム体操を開く地域もあります。他には、膝痛・腰痛予防、転倒・尿失禁予防教室など、目的に合わせた体操を行うことで、参加した高齢者が健康に過ごせるように後押しをしています。さらに、高齢者同士のコミュニケーションも活発になります。
他にも、健康に関する研修会、認知症に関する講演会、栄養に関する講演会などを開催している地域もあります。知識を提供するだけではなく、体操教室と同じように、高齢者同士の交流を深め、孤立を防ぎます。また、高齢者同士で話をすることで、同じような悩みを共有したり、昔の話をしたりすることで、精神の健康も目指すことができます。さらには、料理教室や絵画教室を実施するなど、座学だけではなく体験しながら介護予防に有効な手段を学ぶこともできます。
高齢者に介護予防に取り組んでもらうためには、まず介護予防について知ってもらう必要があります。さらに、地域包括ケアシステムや、地域包括支援センターを知ってもらうことで、要介護状態になってしまったときも早めに介護サービスを受けることができます。このように広報活動も介護予防にとって重要な一部ということができるでしょう。
高齢化の進行によって高齢者が自立した生活を送れるかどうか、できるだけ不自由な思いをすることなく健康で長生きできるかが社会全体で重要なテーマとなりつつあります。その影響で、さまざまな視点から高齢者の健康や健康寿命に関するアプローチが行われる機会が増えています。ロコモはその代表的なひとつと言えるでしょう。
そんな、ロコモと似たような概念として名前が上がる機会が多いのがフレイルです。どちらも高齢者の健康寿命や運動機能と深く関わる言葉ですが、両者の違いがわかりにくい面もあります。とくに高齢の方は横文字が苦手な傾向があるだけに「ロコモとかフレイルとか言われてもよくわからない」というケースも多いようです。
ロコモとは、日常生活を送るうえでの移動のための機能が低下してしまう状態のことです。それに対してフレイルとは「外部からもたらされたストレスがもたらす変化を回復させる能力」と言われています。「生理的予備能」とも言われますが、ちょっと分かりづらい面もあります。よりシンプルに「老化によって心身両面の衰えが見られる状態」といった方がわかりやすいでしょう。体力的に辛いので外出する機会が減る、生きがいを感じにくくなって社会と関わる機会が減る、といった状況が例として挙げられます。
一般的に、ロコモが先でフレイルが後になって現れると言われています。ロコモによって運動機能が低下すると、外出の機会やレジャーを楽しむ機会が減り、それが生きがいや楽しみを残ってしまい、フレイルになって家に閉じこもりになったり、孤独な環境で過ごすといった問題を抱えてしまうのです。ですからロコモは単に体の健康だけの問題ではなく、フレイル対策、さらに高齢者が充実した生活を送る上でも非常に重要な問題となってくることになります。