2021年3月号ではストリートカルチャー新時代のショップデザインを元に各商業施設が取り上げられている。
表紙には、ミヤシタパークにある『KITH TOKYO(キストウキョウ)』が飾っている。
KITH TOKYOは、ラグジュアリーマーケットにおけるニューヨーク発のオリジナルブランドとセレクトという二つの側面を持った新たなショップである。
施設内には、ガラス張りの円柱内にフットウェアが飾られているアーカイブ・タワーが施されている。(アーカイブ展示)
この雑誌を読んで学んだことが5つある。
1つ目が天井カセット4方向『Sient-Icoonic』だ。
日立で開発、空調に新しい選択肢が生まれた。目立たずに機能性を発揮し、従来の天井カセット4方向タイプに革新的な設計思想とデザインを採り込んだ。
設置方法は、従来の物と同様ではあるが、メンテナンスが安易になった。グリル部分を4mまで下降させたり、天井に汚れが付着しいにくい気流の設計してたりしているため、導入後のメンテナンスのことまで考えられている。
2つ目がところざわサクラタンに位置する『KADOKAWAのオフィス』だ。
ここでは、床と天井に高低差をつけ、空間に強弱をつけている。高低差によって生まれる雰囲気や余白のスペースなどは、自然と活動の場を選ぶアフォードダンスとなる。
例えば、床レベルが上がった場所は、天井高を低く抑えることで《集中作業向けのスペース》になっている。
インテリアや家具にも考えられた設計になっている。仕上げはあえてムラのある素材感にし、差し込む光やその影のゆらぎ、触感のやわらかさで居心地の良さをつくり出している。
3つ目が『HOTEL THE MITSUI KYOTO』だ。
ここのホテルは、レストラン、ロビー、ゲストルームが庭を囲む空間配置となっている。日本の邸宅建築が持つ空気感覚をいかすため、構造の柱と梁にあえて沿わせてデザインを施し、水平、垂直の空間の骨組みを創出した。あらゆる席から庭を感じられるように床の高さを調整し、庭と対面する壁に鏡を設けることで、庭を取り込む視覚的工夫も行なっている。
4つ目がミヤシタパークにある『DAYZ』だ。
店舗のデザインは「手づくり感」を意識した設計を手掛け、こだわりや技術、遊び心が細部にまで行き届いている。《良い違和感》や《雑多感》が感じられる動線計画としつつ、店に行く楽しさや、新しいものに出会う素晴らしさを演出している。木材を随所に散りばめ、温かみのある雰囲気をまとう一方で、スニーカーのウォールや什器一つひとつを大ぶりなものにして、インパクトを出したり、「DAYZ」のロゴを店内の随所に配したり、シンプルながら存在感のある店内に仕上げている。
5つ目が横浜タワー内にある『バル&キッチン ハマチカ』だ。
ここでは、アフターコロナを見据えた事業計画と空間の在り方が描かれいる。ハマチカは、フードホールとなっており、座席を自由に選べることから、ソーシャルディスタンスを取りやすい業態である。コロナ終息後は座席数を増やすことで売り上げアップにつながる。ウイルス対策とし、壁や床には、抗菌・抗ウイルス機能と調湿機能を持つ建材を採用している。
今後のフードホールは《地域性》を重視し取り組んでいく。地元の優良企業とタッグを組むことで、地域活性化のみならず現状からの売り上げ回復の鍵にもなる。コロナ禍においては、都市部の飲食店よりも、ファンに支えられた地域密着型の飲食店の方が回復が早いのだ。