5月6日、200ヤード2級の昇級テスト再挑戦。
――結果は落ちた。
31と一打足りなかった。あと一打・・・。
父さんは、いつものようにボランティアでスコアラーを手伝った。沙耶のあとの組を任されていた。
スタートのとき、一度だけドライバーの練習をさせてもらえる。
沙耶は最初の組だった。
「――それじゃ、沙耶ちゃん、見本を見せて!」とティーチングプロが呼びかける。
最初の組だから、あとに続く組のジュニアとその親達が囲んでいる。20人はいるだろうか。
沙耶はドライバーを持ってティーグランドへ。
ティーを刺してボールを置き、素振りを行う。2回。
そして後方に立つ。
狙う位置を確認するとボールの横に回り、スタンスをとった。
う~ん、この瞬間は緊張するものだ。最初の一打は大人の私でも緊張するが、見ている人たちもそうであろう。まして自分の子供が打つなら、なおさらだ。
しかし、沙耶はそんな親の緊張をよそに、見事なショットを放った。
フェアウェイど真ん中。距離は120ヤードほどだろうか。よどみないきれいなスイングで、後方の親たちから「ナイスショット!」の声がかかる。
この瞬間は、打った本人はきっと気持ちがよかっただろう。また、人前で何かをする際に緊張を克服するという訓練にもなることだろう。
そして父さんと母さんは、沙耶を誇らしく思った。
父さんは、心の底から喜びを感じた。
これには正直自分でも驚いたが、自分がナイスショットしたときよりも、はるかにうれしい。
―― 親バカ!?
それでもいい。なんとも言えないほどの爽快感だった…。
