「君を、東京セントラルパーク証券に出向を命じる」と最後の銀行の上司にかけられた言葉だった。
それも、頭取からだ。
俺はなぜ今ここにいるかがわからない。常務を土下座させてここに来たのか。
だから俺は 半熟 なのか・・・。半ざ○直輝 では無い。半熟直輝だ。
妻はこの知らせを聞いて、すぐに離婚を始めた。妻は子供のことをすごく思っている。
だからだった。俺がどこかへ行くことによって子供にも大きな負担がかかる。だからだろう。
俺には今不幸でしかない。なぜあのときに頭取がここに来させたのかがいまいち分からない。
頭取になる。それが俺に出来る父への幸せだと父が死んでから思った。
最悪だ。。。おれは今何をしているのだろう。
「あいつって元銀行員だろ?なぜ俺らのしょぼい会社にいるんだ?」
「さぁ分からない。あいつはなんか銀行でやらかしたって聞いてるぜ。そんなやつがでかい銀行でやっているならこのしょぼい証券ではつぶれそうな気がするがな。」
そう、従業員から聞こえる。
俺はいまでは部長だ。入社したときから部長だ。
「よし今日もしっかりと頑張ろう」と俺が言う。
「は~い」と部下が言う。
「なんであいつが部長なんだよ?」
「なんかさぁ。あいつ元銀ですごく偉いのについてたんだって」
「ふ~ん。じゃぁなんであいつがここにいるんだよ」
俺はなんとも言えないまま、パソコンでいつも作業をしている。朝礼がおわったらいつもそうだ。
○和田常務。かつては銀行の常務にいたが、俺が悪事を暴いたことにより位が下げられた。
でも銀行にいる。いつ銀行に戻れるのだろう。いやこれは無理だ。なんかあって銀行にこれたらいいのに・・・・
そう思いながらいつも仕事をしていた・・・