「腰が痛い。」と、たくさんの人から聞くフレーズです。

原因はさまざまであるものの、腰痛で悩んでいるのは高齢者に限りません。

若い年代でも問題になっているようです。

 

アスリートの腰痛ではなく、一般学生を対象にした腰痛を抱える人たちの特徴、リスクを調査した文献を見ていきます。

2005年の文献ですが、シンプルな内容でしたので簡単にまとめられればと思います。

 

 

Biological risk indicators for recurrent non-specific low back pain in adolescents

 

【対象】

腰痛群:非特異性腰痛を繰り返している14-16歳の男女28名

対象群:腰痛群と年齢、性別、学級が同じ腰痛が無い28名

 

【測定項目】

・体組成

・性成熟の程度

・脊柱の屈曲、側屈の可動性

・股関節の柔軟性(ROM、長座体前屈)

・腹筋の回数(筋持久力)

 

→ 回帰分析を用いて、非特異性腰痛の再発のリスクとなり得る項目を算出

 

【結果】

非特異性腰痛の再発のリスクと関連するのは

・股関節のROM

・腹筋の回数

・腰椎屈曲の可動性

・脊柱側屈の可動性

 

 

 

腰痛のリスクに関して、シンプルかつ明確に示されました。

腰痛を繰り返さないためには、脊柱、股関節の可動性の高さが必要であるということが分かりました。

対象は思春期の男女でしたが、成人での調査でも同様の特徴が示されているようです。

個人によって腰部へのストレスとなる各項目の閾値は異なるかと思いますが、低値にならないような介入の必要性は高そうですね。

よくわかんないけど、腰が痛いのは確かである。というのが非特異的腰痛と評価されているかと思います。

原因を解決しないことには完治といえません。

この文献で示されたリスクをつぶしていくことが、完治への道筋になるかもしれませんね。

 

しかし、脊柱の伸展に関する評価が無かったのが気になるところです。

...評価が難しいというのもあるでしょうが、伸展型腰痛のことを考えると調査していただけたら嬉しかったなぁ。。。

 

調査項目の偏りもありますが、やはり柔軟性、可動性の確保は重要です!

動作範囲の限界から、組織へのストレス、痛みに繋がっていると考えられます。

局所の問題解決も必要ですし、アナトミートレイン的には、全身の柔軟性も必要になるでしょう。

 

まずは柔軟性、可動性を確保する。そのうえで、動作範囲をコントロールできるようにする。

という流れで介入ができると良いのではないかと思います。

 

今回の内容は一般的によく言われていることですが、それの根拠となり得そうな文献でした。

どのような調査がもとになっているのかを知っていると、話を深く掘り下げていきやすいですね。

誇張のないような意見が出せるのではないでしょうか。

 

新しいものも、追って調べていこうと思います。