妊婦の皆さま、産院の医師や助産師さんの対応に、満足していますか
質問しそびれたり、説明がよく分からなかったことはありませんか
それにきちんと診てもらえた場合でも、100%間違いがないわけではありません
見落とし、誤診、、、それがときに重大な事態に繋がってしまう可能性があります
妊娠は病気ではない。たしかにそうですが、母子ともに健康な出産を目指すには、沢山のリスクを乗り越える必要があるのです。
Photo by いしだひでヲ
英国マタニティケアの第一人者であるデニス女史が、著書の中で、セカンドオピニオンにより母子ともに救われた妊婦さんの例をご紹介されています
― 3人の小さな子どもを持つ28歳の妊婦さんが、32週目に、高血圧を改善すべくリフレクソロジーの施術をお願いしようと補完療法専門の助産師を訪ねました。
助産師はまず足の状態を見た目と触診により調べ、目に関係のある生理学的な異変の可能性に気付きました。この根拠のある推測から、助産師は妊婦さんに、視覚障害が生じていないか尋ねました。すると妊婦さんは泣き出し、何故分かったのかと驚きました。
実はその前日、元々の担当助産師との問診の際、妊婦さんは自分が入院すると子どもたちを困らせてしまうという理由から、妊娠高血圧腎症の症状があることを隠したのです。
補完療法専門の助産師がすぐにこの妊婦さんの血圧を測るとかなり高く、他にも子癇が今にも起こりそうな症状が発覚したため、この妊婦さんは緊急帝王切開のためにすぐに分娩室へと運ばれました。
(筆者エミ訳)
Denise Tiran 『Nausea and Vomiting in Pregnancy: An Integrated Approach to Care』(2004, Churchill Livingstone )
ISBN-10: 0443073929
ISBN-13: 978-0443073922
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子癇とは、妊娠中の女性や出産後間もない女性が異常な高血圧に伴い痙攣、意識喪失、視野障害を起こした状態のことです。
妊娠高血圧腎症になると、子癇の発生リスクが高まります。
子癇の合併症として脳血管疾患や心不全、常位胎盤早期剥離などが起こると、母子共に命にかかわることになってしまいます。
この妊婦さん、担当とは別の助産師さんに見抜いてもらえて良かったですね
自ら症状を隠したというところがそもそも問題ですが、そうでなくても見抜いてもらえない場合もあり得ます。
少しでも気になることがあったら、医師や助産師さんを始めとした専門家に伝え、それでも納得がいかなければ、セカンドオピニオンを求めましょう