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天秤

すべてにこんにちはさようなら。




辺りがうす暗くなって文字が読みにくくなったくらい、温度が一気に落ちて空気が皮膚を0℃へと近づけるようになるくらいの時間。


窓の外は
影絵みたいに塀も鳥も木々も山も黒く塗り潰されていた。それらの背景だけが色を持っている。
藍染めされた布のような、空。
黒い山々と空、見えるものと見えないものの境目に唯一、ぼんやり滲む橙の光が見えた。