一冊
歌野晶午の
「世界の終わり、あるいは始まり」
を読んだ。
正直に、
これはすごい。
本当にすごい。
もちろん粗いところもたくさんあるし、最後の結末はどうなのかと
思ったが、それにしても本を読んで電流が走ったのは久々です。
一言で言えば、自分の子供が連続誘拐殺人犯だったら親はどう思うか
というのがテーマ。
ミステリーかというとそうでもないわけだが、
こういうライトタッチの中にいろいろ考えさせるものを詰め込んでいるのはすごい。
タブーに近いテーマを巧妙に扱っている。
彼の代表作といえば、この本の後に出した
「葉桜の季節に君を想うということ」
だが、正直こちらはいいとは思わない。
こういう技巧派は好きな人はどの作品も好きになるし、嫌いな人は
どの作品も好まないのが常だが、
どうもこの作家の場合は、「この作家が好き」という人よりも、
この作品は好きだけど、この作品は嫌い、みたいな人が結構たくさんいる模様。
それだけ作風を使い分けられているわけで、すごいですな。
巷に雨の降るごとく
わが心にも涙ふる
かくも心ににじみ入る
この悲しみは何やらん?
ヴェルレーヌの詩にこの訳を与えた
堀口大學という人は天才だと思う
それにしてもヴェルレーヌといいピカソといい、
芸術やる人は私生活は破天荒じゃないとだめなんだろうか?
