出窓が流行りはじめたのは十年以上前になる。私が住んでいた郊外の街でも、新しく建つ家は出窓と三角屋根とポーチがあって、おとぎの国のような街並みだった。そして出窓は、必ずかわいく飾られていたのである。ドレープをつけたレースのカーテンの隙間から、ミッキーマウスやテディベアのぬいぐるみが外をむいていたり、クリスマスシrズンにはミニ・クリスマスツリーの電飾がまたたいていたり。そんな窓際を目にすると思い出すのは、車のリアウィンドウだ。前に走っている車をよくよく見ると、リアウィンドウのところにぎっしりとぬいぐるみを並べている車がある。しかも、UFOキャッチャーでとったようなぬいぐるみ。それが、顔を並べてこっちをみていると、運転中で人格が変わっている私は「けっ」などと叫んで、車線を変更するのである。
