佐藤 優さんの見解です。
偏りのない分析をされている、と
思い、参考にしています。
こちらは有料記事です。
〈冒頭の無料部分抜粋〉
ロシアがウクライナに侵攻した後、東西冷戦終結後のロシア観は改めなくてはならない。ロシアは日本にとって現実的な脅威になった。現在、日本のマスメディアは、当然のことであるがウクライナに同情的になり、ロシアたたきが進行している。ウクライナに対して少しでも批判的な発言をすると、インターネット空間ではバッシングの対象になるという状態だ。
またロシアの論理を解説するだけでも「ロシア寄りだ」と大きな反発を受ける。このような現状は危険だ。情勢分析は、心情や価値判断をいったん、括弧の中に入れて冷静に行わなくてはならない。
〈抜粋終わり〉
世界のマスメディアで
共有されている憶測は
どこから来るのか考えさせらます。
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ブログに上げた時点では無料登録なしで全記事読めたのですが、今は3,4ページが登録後しか読めないので、一部抜粋し貼っておきます。
〈一部抜粋〉
プーチンが度々口にする「ネオナチ」の意味するもの
そして、ゼレンスキー政権がキエフから去ったなら、プーチン大統領はウクライナのナショナリズムを解体していく。プーチン大統領が度々口にする「ウクライナの非ナチ化」です。
「ウクライナの非ナチ化」という言葉が、日本人にはわかりにくいと思うので、説明しておきましょう。ウクライナ民族解放運動の指導者で、ステパン・バンデラ(1909~1959年)という人がいました。バンデラは第2次大戦中に、ポーランドとウクライナに侵攻したナチス・ドイツと提携し、ナチス・ドイツ軍の指揮下に入ってソ連軍と戦い、ソ連からウクライナの独立を図った時期があります。しかし、ウクライナ独立の約束をナチスは守らず、バンデラはナチス占領下でウクライナ独立を宣言したために逮捕されるのですが、反ユダヤ主義者でもあり、ユダヤ人虐殺に関与しています。
ソ連時代には、「ナチスの協力者」「過激な民族主義者」「テロリスト」という意味で憎悪の対象として教えられていましたが、近年のウクライナでは「独立のために戦った英雄」として再評価され、2016年にはキエフの中心にあった「モスクワ通り」の名前は「バンデラ通り」に変わりました。
プーチン大統領はこうした動きを指して「ネオナチ」と言い、ウクライナのナショナリズムを解体していこうと考えているのです。
独自情報で見えた、プーチンの構想する「戦後のウクライナ」の形
では、どのように解体していくのか。それは教育と非武装化です。
前回も述べたように、ロシアの狙いはウクライナを傀儡国家に仕立てることではありません。こうした危機に瀕すると、どんな国でも「これ以上戦うのは無益だ。民衆の犠牲を増やさないために、相手国と折衝しなくてはいけない。自分は裏切り者と呼ばれても構わない」と考える人が、必ず政権の内側から出てきます。プーチン大統領はそうした「傀儡ではないが、融和的な人物」を擁立して、その下に軍事顧問や、それよりさらに多い教育顧問を送り込んでくるでしょう。
思い起こしてほしいのは、第2次世界大戦後のGHQによる日本の統治です。戦後すぐにGHQの指令で教育勅語が廃止され、小学校の教科書で占領政策にふさわしくない部分が黒塗りにされました。その後、1947年に教育基本法(旧法)が成立し、教育が民主化されました。また、軍隊を解体し、海上保安機構と警察以外は軍事力を持たせないようにしました。
モスクワの与党幹部から得た情報によると、ロシアはいま、アメリカがドイツと日本で行った戦後処理について、深く研究しています。同じことを、“戦後”のウクライナで行おうとしているのです。
相手が脅威であるときこそ、その内在的論理を知る必要がある
ロシア国内で反戦デモが起こっているという報道は事実ですが、ロシアの政策に影響を与える力はありません。日本でも首相官邸の前で熱心にデモをする人たちがいますが、日本人を代表する声ではないのと同じです。日本やアメリカのメディアは、そういったごく一部の事象を、プリズムをかけて大きく取り扱っています。ニュースとはそういうものなのです。
「プーチンは精神に変調をきたしている」というアメリカの報道もありました。これも、西側が情報戦で負けていることの表れです。相手の内在的論理がわからず「精神状態が異常だからだ」と結論づけてしまっては、うまく噛み合う対抗手段もわからないからです。
現在のところ、ロシアを止めるすべはありません。2月24日にウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、従来のロシア観は通用しなくなりました。ですから新たな脅威としてのロシアを、よくよく研究しなくてはいけません。大多数のロシア人が考えていることを、日本にとって不快なことも含めて冷静に捉えるのが、ロシア全体の動きを見るために必要な態度です。
アメリカは第2次世界大戦で日本と戦争するに当たり、「我が敵国の日本を知れ」と徹底的に研究しました。反対に日本は「敵性言語を使うな」と言って、英語や英米の情報を排除しました。相手が脅威であるときこそ、その内在的論理を知ろうと努めなくてはいけません。
〈一部抜粋終わり〉
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