wr で始まる単語は w を発音することはない。したがって、r で始まる単語とリスニングでは区別ができない。しかし、リーディングのときは WR- は、大抵「曲げる」「変形する」という意味をどこかでもっていることをイメージできる。
wrap: 包む (包むものは曲げられる)
wreath: 花輪 (紐が円形に曲げられている)
wreck: 残骸、ポンコツ (変形させられた)
wrecker は、レッカー車だが、ポンコツを運ぶ物
wrench: 捩る
wrest: ねじって取ること
wrestle: 組み打ちをする (ねじり合うこと)
wrestler, wrestling
wriggle: (みみずなどが) のたくる
wring: (水気などを) 絞ること
wringing wet は、絞れるほどにずぶ濡れの意味
wrinkle: しわ (皮膚でも、布でも使う)
wrist: 手首
write: 書く (語源的には違うようだが、僕としては手首を曲げて書くイメージを捨てきれない)
wry: 顔をゆがめる a wry smile ⇒ 苦笑い
「曲げる」「変形する」が比喩的に使われていると思われるのは、以下の例で、いずれも、ネガティブ・イメージだ。
wrangle: 口論する
wretched: 惨めな、悲惨な
wrong: 悪い (曲がっているものは悪い?)
wとr が続くわけではないが、「曲がる」の意味をもつ似たような単語はいくつか見受けられる。語源に詳しい人の解説を読むと、みな、同一の語源だそうで、いわれてみると、そうかと思わせる。
worm: 細長くて足のない虫のこと (ミミズ、ヒル)
ward : 「病棟」でおなじみの名詞だが、もともとは、危険や打撃を避けるという動詞で体を捩る動作がイメージされている
warp: 動詞は歪める、反らせること
weird (e は発音しない) は、幽霊やゾンビなどを見たときの「異様さ」「気味の悪さ」でホラー映画には欠かせない単語だが、もともと「運命」の意味が、くねくね曲がった道を想像させ、先が見通せないことから、現在の意味になったそうだ。