「~のとき」という時を示すWHEN節には、実際のところは二つの使いかたがある。ひとつは「同時用法」といわれるもので、もうひとつは「継続用法」といわれるものである。「同時用法」とは主節で述べられる状況や出来事の時をWHEN節(従属節)で指定するものである。この場合、従属節と主節の時はほぼ「同時」といっていい。「継続用法」の方は主節で述べられる状況・出来事が起きた後に WHEN節で述べられる状況が引き続いて起きるという使いかたである。

 
上で述べた「同時用法」の場合、WHNE節を主節の前に記述する方法と、主節の後に記述する方法との二つの表現がある。以下に例を示す。

主節の前:

When I was ten years old, my father died.

 

主節の後:

My father died when I was ten years old.

 
ここで、カンマ(,) のあるなしにも神経をつかって欲しい。

 

また「継続用法」は、

, and (then)

とほとんど同じ使いかたであるが、口語ではあまり使われない。主として小説などの書き言葉で主に用いられる。この用法では、when 節は常に主節の後におかれる。カンマ(,) を when の前に付ける場合と付けない場合の両方がある。しかし、「継続用法」と「同時用法」の違いをはっきりさせるために、カンマをつける方が好ましいとする人が多いようである。

 

つねに主節の後

※  カンマ(,) のある例

I was playing the piano, when there was a knock at the door.
 

※  カンマ(,) のない例

 
He was walking down the street listening to music on his headset when a car hit him.

 

以上をまとめると

 

1.  WHEN節を主節の前に置く「同時用法」カンマあり

2.  WHEN節を主節の後に置く 「同時用法」 カンマなし

3.「継続用法」カンマ あり/なしの両方がある

 

の三つの表現がある。それでは1 と 2はどう使いわけるか? という問題が残る。この問題に答えるには、文単体で見ても意味がない。文単体ではなく、文と文をどういう風に「つなぐ」かという観点で見る必要がある。「文章の流れ」とは、文と文がなめらかに連続していくことが必要な場合もあり、一方、文と文の間に切断を入れて場面転換を印象的に行うことが必要なときもある。「同時用法」のWHEN を前におくか、後ろにおくかに一般的に回答すると、場面転換をその文で効果的に行いたければ WHEN を前におき、前の文との連続性を維持したければ後ろにおくということになる。以下は、文章の頭の単語だけ拾ったと考えて欲しい。


WHEN節が前: There – She – She – When – He- He

WHEN節が後: There – She – She – She – He – He

このとき、上の場合は WHEN があるところで場面転換が行われたのかが一目瞭然だが、文章の連続性からいえば、下の方がいいということである。

 
「継続用法」は

, and (then)

とほとんど同じだと書いたが、when を使ったほうが、文と文のつながりがより緊密になる。したがって、WHENの「継続用法」はしばしば「意外性」や「突然」の場面転換を導入するために用いられる。つまり、WHEN の「継続用法」は、主節の出来事や状態がまだ閉じきらないうちに、従属節の「出来事」が起きるという場合にしばしば用いられる。例を以下に示す。

 

I was watching the TV, when suddenly the lights went out.

 

以下の例では、when 以下を強調するために倒置まで用いている。このような倒置は「同時用法」では認めにくいと思う。


I was doing the dishes when suddenly in came John.