簸そ}になんか閉じ込められたくないわ」
「絵画がみんな古臭いわけじゃないでしょ」
「古臭いわよ。今は映像とイラストの時代なの」フランシスが鼻にかけたような声で笑った「私、デザインもやっているのよ。趣味だけど」
「デザイン?」
「広告とか、ポスターよ。今はそういう時代なの」www.jtjszp.com
エレノアはフランシスの会話の受け答えから、今まで会ってきた『お嬢様』とは何かが違うなと思った。にこにこ笑い、愛想を取ることしかしない女性を、エレノアはどこの国でもたくさん見てきた。特に、大きな家のご令嬢は、あたりさわりのないことしか話したがらない。相手が旅芸人ならなおさらだ。
でも、フランシスは違いそうだ。
「あなた、ここに来る前はどこにいたの?」
「最近は、セカンドヴィラとレハルノーサ」
「レハルノーサ?」フランシスが馬鹿にしたような声を出した「あんなところで芸をやったって、だれも見ないじゃないの。田舎でしょ?おじいさんしか住んでない」
「そんなことないわ。独特な伝統があって……確かにお父さんの曲芸は反応が薄かったけど(すごく落ち込んでたのよ!)みんな歌は好きよ」
「歌うの?」バッグ ブランド
「私は歌手よ」
「へええ」フランシスが試すような目つきになって、両手をあごにあてて肘をテーブルにつけ、見下すように目を細めた「歌ってよ」
「えっ?」
「何でもいいから、聞かせてよ」
エレノアはしばし、頭の中で知っている曲を反芻して、どれを選ぶべきか考えた。
そして、立ち上がり、歌い始めた。
澄んだ、力強い歌声が、部屋いっぱいに響き渡る。
その声は独特の流れを持っていて、部屋の中の空気を別な世界に塗り替えていった。
戦争に行った男を待っている女。
でも男は帰ってこない。
女は一人で街に出かける。chanel 財布
昔を思い出して泣きたくなる……。
さびれた町の飲み屋をさまよう女の姿が、フランシスの意識にはっきりと映った。それほど、エレノアの歌の力は大きかった。
歌が終わった時、フランシスの顔から、さきほどまで浮かんでいた、試すような顔も、見下したような態度も、消えていた。
「どう?これ、ロンハルトの歌を翻訳したものよ」
フランシスは何も答えず、無言で立ちあがり、自分の部屋に入っていった。
「フランシス?」
「食べてて!」
怒鳴り声が聞こえた。
気に入らなかったのだろうか?
エレノアは不安になったが、まだ手をつけていないロブスターを見て、早めに食べたほうがいいなと思った。フランシスがまたヒ