そんなことないよ。十分わかってるさ」
アンゲルはまた軽く言い返した。
誰かに狙われている。深刻な事態だ。そんなことはもちろんアンゲルだってわかっている。
ただ、今ここで、そういう話をしたくなかった。
「だといいけど」クーがエレノアにワイングラスを渡した「あなたが主役なんだから、存分に飲んで」
「ありがとう」
エレノアは笑ったが、口元がひきつっていた。アンゲルはそれを見のがさなかった。
「どうしたの?ワイン嫌いだったっけ?」www.xicheren.com
「違うの!」エレノアがあわてた様子で言った「誕生日を祝ってくれるのは嬉しいんだけど……」
エレノアが、アンゲルの耳元に顔を近づけた。
「こんなに大げさにする必要ある?」
すこし身を引いて、エレノアの顔を見ると、ものすごく不満そうな顔をしていた。
「まあ、そうだけど。でも、イシュハ人って何でも派手に祝うんだろ?」
「そんなことないわ。私だって去年までは、家族とおいしいものを食べて、プレゼントをもらって、それで誕生日は終わりよ。大騒ぎなんて好きじゃないもの。自分の部屋で、ちょっといい食事があれば十分じゃない?わざわざカフェを借り切ってやるようなこと?しかも、フランシスとクーが勝手に決めたのよ!」gucci バック
エレノアが耳元で、かなりの早口でささやいた。かなり不満がたまっているのか、かなり激しい息使いで、アンゲルの耳に息が強く当たった。
「どうして何でも大げさになるの?私はもっと気楽にやりたかったのに!」
アンゲルは、真っ赤になりながらも、笑いながらこう言った。
「俺も、実は、同じことを考えてたよ。ティッシュファントムの別荘に行った時から、ずっとね」
9-4アンゲルヘイゼル男子寮の部屋gucci 財布 メンズ
パーティが終わった後、ヘイゼルがアンゲルに、グーファー?レコンタの本を『やるよ』と言って差し出した。
アンゲル自身もヘイゼルに借りようと思っていた本だが、向こうから『読め』と差し出されるとなぜか不愉快だ。
「教会っ子は純粋だからこういうのはお嫌いだろうな。でもな、自分に合わない思想でも知っておくべきだ。イシュハのほとんどの人間はこういう発想で生きて、行動しているってことを知っておいた方がいい。お前がそれに賛成するかどうかは別の問題だ」
「不気味だな、なんで俺に本なんかプレゼントするんだよ」
「エレノアに楽譜買って、悲しきアルバイトで貯めた小銭が消えたろ?」
「……ダイレクトに指摘されると痛々しいね