この記事に『Reframe 2019』のネタバレは一切含みません。安心してご覧ください。
Reframeの話と言うよりは…って感じですので、お楽しみ頂けると嬉しいです。

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What is Reframe?

Reframe、ReframeとPerfumeのオタクは口にするが、PerfumeがReframeという名の公演を行なう意図・意味は一体どのようなものか。単にテクノロジーを駆使した着席鑑賞のショー、でまとめられてしまうのはあまりにも浅はかだ。

2018年3月。NHKをバックアップに渋谷・NHKホールで2日間行なわれた公演、Reframe。
前月には8年振りのファンクラブツアーが開催されたことや、『PerfumeはNHKホールで一体何をするのか』が実際に公演が行なわれるまで一切告知されなかったことから、話題は控えめな印象だった。

その公演内容は蓋を開けてみれば、これまでに例を見ない新たなスタイルだった。
Perfumeのライブやメディア出演などで多く使用される、所謂『テクノロジー』を全面に押し出した公演で、観客は着席鑑賞。『Reframe=再構築、枠を作り直す』の意で、これまでPerfumeが積み上げてきた楽曲やパフォーマンスを、新たなテクノロジーや演出の力を活用して現在のPerfumeが演じる、という試みだ。

Perfumeファンなら暗唱出来るほど聞いた文言だ。しかしこんなテンプレートだけが、公演が支持される理由であるわけがない。
8公演も行なわれる理由で、あるわけがない。

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START LINE

2017年。Perfumeの目立った話題は年明けの「TOKYO GIRL」に限った。
前年に「FLASH」が久しぶりの大ヒットとなり、2016年はテレビ出演・ニューアルバム・アリーナツアー・北米ツアー・ドームツアーと大忙し。アリーナツアーでは初のスタンディングフロア3days公演を幕張メッセの三ホールをぶち抜いて敢行し大成功。東京を除いた福名阪のドームツアーもこれまでのPerfumeの集大成を詰め込んだライブであった。

そんな激動の1年を過ごし、「TOKYO GIRL」をリリースした後から、世間に話題になるリリースやヒットは無かった。私自身はこの年のPerfumeの活動には既視感というか、在り来たりのようはものを感じていた(劣化したということや興味が無くなったわけではない)。加えて、2019年にはメンバー全員が30歳になる事実。PerfumeがこれまでのPerfumeと同じような活動をしていくのには、様々な面で難しい部分があることをファンの一人である私も分かっていた。

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最高を求めて

Perfumeが『現在のPerfumeのパフォーマンス』を形作る大きなきっかけとなったのは、間違いなく2018年3月に行なわれたReframeであると感じているが、それとは別に『現在のPerfumeの活動方針』が設定されたきっかけがある。

それは「P.T.A.発足10周年!! と5周年!! “Perfumeとあなた”ホールトゥワー」。最初に触れた8年振りのファンクラブツアーのことだ。

このツアー最初の場所、幕張イベントホールでの公演は、事前にファンクラブ会員に行なった『いま一番聴きたい曲』アンケートの結果を基に、そのランキングを10位から1位まで順番に披露していくという激アツな演出で我々ファンを大いに沸かせ、その熱狂ぶりはこれまで見たこと無いほどの賞賛の嵐。私もあの公演は未だに夢だったのではないかと思っているし、記憶の宝箱に大切にしまってある。

その後からのPerfumeは、新規を取り込む展開から、いま居るファンをより大切にしていこう、という方針に切り替えていったように感じる。

Reframeもその展開の一環である。
Perfumeの魅力が特定の分野に偏らず、あらゆる視点から愉しむことが出来ることを充分に分かっているファンに向けてだからこそ出来るパフォーマンスである。そしてそのクオリティが半端なものでは無い。
Perfumeメンバーのファンへ向けての愛は、事ある事に申し訳なくなる程だ(主にソフトの価格面)。そこまで想いを持つ製作側が、公演内容にまでその気を反映させ、それを演じるのがPerfume本人ともなれば、見たことも無い激しい化学反応が確実に起こる。

その中のひとつの化学反応式が、本日千秋楽を迎える『Reframe 2019』である。私はそういう心持ちで、今日、愛に溢れた空間、また新たなPerfumeとの物語を刻みにLINE CUBE SHIBUYAに乗り込むつもりだ。

 ねぇ みんなが 言う「普通」ってさ
 なん だかんだっで 実際はたぶん
 真ん中じゃなく 理想にちかい
 だけど 普通じゃ まだもの足りないの


普通じゃもの足りない。

これを体現した形がReframe、Perfume 7th Tour 2018「FUTURE POP」、そしてReframe 2019だ。Perfumeにしか魅せられない、普通じゃもの足りないを追求した者にしか到達出来ないひとつの形が、Reframe 2019として視覚化された。
Perfumeのメンバーが理想とする最高を求めて、終わりのない旅は続く。

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既存のファンを大切に囲い込む方針、について少しだけ。
この方針の切り替えはよく考えてみればアミューズが得意としてそうなところで、福山雅治もサザンオールスターズも新たなファンを…というよりは定期的なイベント(例えば福山雅治は毎年末にパシフィコ横浜で複数日公演)を行なって既存のファンにもっと楽しんでもらいたい、という心意義を感じる。

Perfumeはアミューズの中から『若手』の枠を飛び越えたのだ。

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宣伝のお時間です。

皆様は桃井はるこ氏をご存知でしょうか。
そう、かつてPerfumeが大アイドルだった時代に「アキハバラブ」を作詞作曲した音楽家です。現在のエレクトロニカ路線からは想像もつかないアイドル曲。

そんな桃井はるこ氏、私が今一番推しているアイドル『notall(ノタル)』の楽曲「#ハッシュタグはつけられない」の作詞を担当されているんですね。

この曲私も大好きなんですけど、メロディと歌詞の調和さが中々にエモい。ライブでやってくれるかなーって毎回楽しみにしながら行ってます。

気になった方はぜひこちらのスケジュール予定からお時間とお場所を合わせて会いに行ってみましょう。お話も出来ます。(MVは4人ですが、1人抜けて3人加入したので、現在の6人体制は変わっていないです。)

あとこちらも前回に続いて『CY8ER』。
この度2020年1月のメジャーデビューが決まりまして、ニューアルバムの発売もアナウンスされています。
何より11月23日にagehaで開催されるCY8ER FESがアツすぎます。中田ヤスタカが出ます。
曲オタはこれでもうCY8ERが気になっちゃって仕方ないですね。そういう音楽を歌うグループなんです、CY8ERって。なので是非聴いてみてください。

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Reframe 2019最終日、楽しんできますね。
またレポート書きます。