初めての現場 後編
「もうしゃべるな…」
その一言で
運転席男の子は一言もしゃべらなくなった
自分の犯した過ちと見苦しさを思い知らされたのかもしれない
救助活動は続く…
大型油圧救助器具を使い車体を切り刻み間隙をつくる
助手席の要救をバックボードで救出開始
足がダッシュボードと座席に挟まれてなかなか思うようにいかない
すると
運転席の男の子が
「ここはどこですか?僕は今何をしてるんですか?」
現実逃避をしているようにしか見えなかった
5分経過…
ようやく助手席の男の子を車外に出すことができた
しかし、CPA状態には変わりない
すぐさま救急隊の胸骨圧迫(心臓マッサージ)に引き継がれ病院へと搬送された
結局、助手席の19歳の男の子は死亡、同じ歳の運転席の男の子は軽い怪我だった
初めての現場で感じたことは
命のはかなさと命を預かる重みだった
助手席の男の子は、目立った外傷はあまりなかったが、打ち所が悪かったために亡くなってしまった
救出活動中もその男の子の体は生きているんじゃないかと思うほど温かく、心臓が動いていないことが信じられなかった
そして、運転席の男の子の極限状態の心の動き
普段何気なく、友人や家族を乗せていることにどれほどの責任がかかっているのかということを改めて思い知らされた初現場でした
その一言で
運転席男の子は一言もしゃべらなくなった
自分の犯した過ちと見苦しさを思い知らされたのかもしれない
救助活動は続く…
大型油圧救助器具を使い車体を切り刻み間隙をつくる
助手席の要救をバックボードで救出開始
足がダッシュボードと座席に挟まれてなかなか思うようにいかない
すると
運転席の男の子が
「ここはどこですか?僕は今何をしてるんですか?」
現実逃避をしているようにしか見えなかった
5分経過…
ようやく助手席の男の子を車外に出すことができた
しかし、CPA状態には変わりない
すぐさま救急隊の胸骨圧迫(心臓マッサージ)に引き継がれ病院へと搬送された
結局、助手席の19歳の男の子は死亡、同じ歳の運転席の男の子は軽い怪我だった
初めての現場で感じたことは
命のはかなさと命を預かる重みだった
助手席の男の子は、目立った外傷はあまりなかったが、打ち所が悪かったために亡くなってしまった
救出活動中もその男の子の体は生きているんじゃないかと思うほど温かく、心臓が動いていないことが信じられなかった
そして、運転席の男の子の極限状態の心の動き
普段何気なく、友人や家族を乗せていることにどれほどの責任がかかっているのかということを改めて思い知らされた初現場でした
初めての現場 前編2
現場は『魔のカーブ』と呼ばれる交通事故犠牲者が数多く出ている場所だった
現場についたころには雨はよりいっそう激しくなり、救助活動もなかなか思うように進まない状況だった
指示通りカラーコーンをを配置し道路を遮断
活動スペースの確保はできた
そして隊長に支持を仰ぐべく事故車両に近づく
そこには車体の前半分が原型をとどめないほど潰れた黒のスポーツカーがあった
『大丈夫か!!もう少しのしんぼうやけんな!』
救助活動が続く・・・
運転席に若い男の子、助手席には友人と思われる男の子が閉じ込められていた
運転席の男の子は意識ははっきりしていたが、助手席の男の子はピクリとも動かない
救命士のKさんの無線交信が現場に響く
『現在要救2名車内より救出活動中!なお1名CPA状態』
CPAとは心肺停止状態のことを言う
『おい新米!いまからピラーを油圧カッターで切断するから要救を毛布で保護しとけ!』
『了解!』
ガラスやボディーのかどで怪我をしないように要救の上半身を毛布で覆う
すると運転席の男の子が騒ぎ始めた
『○○!○○!ちょ、起きてや!マジで!』
『ホント冗談ぬきで起きようや!○○!○○!!あーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!』
それでも助手席の男の子はピクリとも動かない・・・
『終わった・・・・俺、マジで終わった・・・・てか、はよ出せや!!まじでもう!!かんべんしてやあ』
『あーーーーーーーーー!!!!!!なんでや!!!マジで!あー腹立つ!!はよ出せや!てか○○生きとるんやろ?なあ!生きとるんやろ?答えやボケ!!』
すると隊長が
『もうしゃべるな・・・』
続く・・・
初めての現場 前編
大学卒業後、地元の消防署に就職しました
公務員試験に合格し採用が決まっても半年間は県の消防学校というところで地獄のような日々を送り、その後各消防本部に戻り消防士としての勤務が始まります
恥ずかしながら、消防士になるまで救急車が消防署から出動していることを知りませんでした
が、配属後すぐに救急車で出動するようになりました
私の勤務する街は小さな街でしたが救急出動回数は多い日で約15件と比較的頻繁に出ていました
今でも忘れることのできない最初の現場は交通事故でした。
1日目、朝から何も起こらずその日は初めての現場に備えて資器材の取扱い訓練をしてその日が終わろうとしていました。
夕方になり隊の夕食の準備をしていると、激しく雨が降り始めました
その日の隊長が
「今日は救急指令もならんかったし残念やったなあ、せっかくお前のデビュー戦になるかと思っとったのに。」
その瞬間
「ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
只今○○市内、救助入電中
」
隊長の顔が一瞬にして変わり
「お前は救助工作車でM司令補と現場に先行
現場到着後すぐに活動スペースの確保
」
極度の動揺と緊張の中、続いて第二報
「ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
救助指令
救助指令
場所○○市○○ Kフーズ付近、以上
」
「救急3はK消防士長乗車他隊員2名
現着後速報いれろ
」
急いで救助靴を履き出動準備をしていると、
「お前はいつまでかかっとんや
もうおいていくぞ
」
気が付くと私以外は皆車両に乗車し、今にも出動しそうな状況でした。
半ば無理やり履いて救助工作車に乗車すると、慌ただしく無線交信のやりとりがされています。
「要救助者二名
現在車内に閉じ込められているとの通報
」
「現着したら俺はお前だけ見てやることはできん
自分の身は自分で守れ
特に対向車にだけは気をつけろ
」
とK司令補に言われさらに緊張。
現場到着
「後方よし
」
後ろから車両がきていないことを確認して下車し、言われたとおり活動スペースを確保するため、カラーコーンを周囲に配置していきました。
携帯していた無線から
「要救助者二名
一名意識なし
現在フロント部分大破のため救助活動難航中
」

公務員試験に合格し採用が決まっても半年間は県の消防学校というところで地獄のような日々を送り、その後各消防本部に戻り消防士としての勤務が始まります

恥ずかしながら、消防士になるまで救急車が消防署から出動していることを知りませんでした
が、配属後すぐに救急車で出動するようになりました
私の勤務する街は小さな街でしたが救急出動回数は多い日で約15件と比較的頻繁に出ていました

今でも忘れることのできない最初の現場は交通事故でした。
1日目、朝から何も起こらずその日は初めての現場に備えて資器材の取扱い訓練をしてその日が終わろうとしていました。
夕方になり隊の夕食の準備をしていると、激しく雨が降り始めました

その日の隊長が
「今日は救急指令もならんかったし残念やったなあ、せっかくお前のデビュー戦になるかと思っとったのに。」
その瞬間

「ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
只今○○市内、救助入電中
」隊長の顔が一瞬にして変わり
「お前は救助工作車でM司令補と現場に先行
現場到着後すぐに活動スペースの確保
」極度の動揺と緊張の中、続いて第二報
「ブーッ
ブーッ
ブーッ
ブーッ
救助指令
救助指令
場所○○市○○ Kフーズ付近、以上
」「救急3はK消防士長乗車他隊員2名
現着後速報いれろ
」急いで救助靴を履き出動準備をしていると、
「お前はいつまでかかっとんや
もうおいていくぞ
」気が付くと私以外は皆車両に乗車し、今にも出動しそうな状況でした。
半ば無理やり履いて救助工作車に乗車すると、慌ただしく無線交信のやりとりがされています。
「要救助者二名
現在車内に閉じ込められているとの通報
」「現着したら俺はお前だけ見てやることはできん
自分の身は自分で守れ
特に対向車にだけは気をつけろ
」とK司令補に言われさらに緊張。
現場到着
「後方よし
」後ろから車両がきていないことを確認して下車し、言われたとおり活動スペースを確保するため、カラーコーンを周囲に配置していきました。
携帯していた無線から
「要救助者二名
一名意識なし
現在フロント部分大破のため救助活動難航中
」