5歳の頃

母の仕事場の知り合いの家に立ち寄る機会があった

知り合いの方の名前は「みんちゃん」と言うおばちゃんで、

私にもいつも優しいおばちゃんだった

家に立ち寄った時、

母は何かを手渡す用事の為だけだった為、

みんちゃんが「中入って!」と言ってくれた時も


母はみんちゃんに気遣い頑なに断っていた


私はそんな母の気遣いを全く気づかず、

(「中に入って!」と言われたのに、何で断るのかな?)

(入った事のない家の中に入ってみたいな!)

と心の中で思いつつも、母に合わせて玄関で一緒に立っていた

そのうち、待てど、待てど、玄関で立ち話を続ける母とみんちゃんに、私は徐々に退屈して来た


玄関のそばの部屋から聞こえるテレビの声

楽しそうに笑う声が何度も聞こえる


私はその声が気になり

テレビのある部屋を覗き、テレビを観たい衝動にかられた

その時の私は、今考えてもとても行儀が悪いが、

私はその衝動に身を任せて、

玄関に膝をつけて部屋の中のテレビを覗いてみる行動に出た


「こら!やめなさい!」

そう言いながら、膝をついている状態の私のお尻を軽くたたき、

また、みんちゃんと話し続けた

その後、何度も「テレビを覗こうとしては怒られてやめる」という事を繰り返した後に


みんちゃんと母の話は終わり、帰路に着いた


そこで待っていたのは、

鬼の形相の母


「何で人の家に入ろうとしたの!膝をついてテレビを見ようとするなんて行儀悪い!!」



と何度も全身を叩かれた

母の初めての怒りの形相に、


驚きと恐怖心でいっぱいになり、

大声を上げて泣いた


廊下で馬乗りの様に迫ってくる母


恐怖で恐怖で、

「ごめんなさい!」と泣きならがら何度も謝った



誤っても許してもらえない、終わらない母の怒りの行為の中で、


(自分の謝罪が母には届かない)


という事を嫌と言う程思い知った