(長文注意)
むかし書いた、選抜総選挙を題材にした文章を読み返しました。
とがってた時期に書いたので、今読み返すと極論的な部分もあるけど、色々思うことがあったので、まずはじめに全文のせます。
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例えば、50万のブランド物バッグを買った若い女性がいるとする。
その女性が年収2000万の裕福な家の娘なら、あなたは何も感じないだろう。
お金に余裕があって羨ましく思うだけだ。
しかし、その女性が年収240万の1人暮らし。
日々の生活に四苦八苦しているなら、あなたはどう思うだろうか?
自分で稼いだお金をどのように使おうが、その人の自由だ。
他人に口出しする権利は一切ない。
しかし、年収240万で50万のバッグを買う女性に、あなたは違和感を覚えたのではないか?
驚くべきことは、このような女性が実際に存在することだ。
年収約300万の既婚男性が1000万以上するフェラーリを乗り回している姿を、私はテレビで見たことがある。
年収の半分をつぎこみフェラーリに乗ることが、その人の生き甲斐になり、それが働く意欲にもつながっているなら、フェラーリは立派な役割を果たしている。
しかし、そうした理屈を抜きにした本能的な感情が、あなたに強い違和感を覚えさせるのだ。
キャバ嬢・ホストに何百万・何千万とつぎこむ人の話を、あなたも耳にしたことがあるだろう。
キャバ嬢たちは、お金をつぎ込んでくれる男性に感謝している。
なぜなら彼らは、自分の地位・生活を支えてくれる上客だからだ。
彼女たちは彼らに感謝の意を示し続ける。
しかし彼女たちは、そんな男性を高く評価することはなく、むしろ心の底から見下している。
キャバクラに通ってやたらお金を使う男性に対して、お金を使われている側のキャバ嬢がもつイメージは、『最低の男』、この一言につきる。
キャバクラに限らず、女性をお金で『しか』動かせない男性に対して、女性は誰しも『最低の男』と判断する。
AKBにお金を払って楽しませてもらい、日々の生活の活力にする。
これは素晴らしいことだ。
私は握手会の楽しさを知っているし、劇場公演の楽しさを知っているし、テレビや雑誌をみる楽しさを知っている。
私もあなたも、AKBが大好きだ。
しかしあなたは、わずかな年収で高級ブランドバッグを買う女性や、キャバクラに何百万もつぎこむ男性になってはいけない。
自分の生活水準を落としてまで、選抜総選挙に大金をはたく人になってはいけない。
驚くべきことは、こうした人たちが少なからず実在することだ。
たしかにキャバ嬢(メンバー)は、お金をつぎ込んでくれる客(ヲタク)に感謝している。
しかしそのような客に下される評価は、
キャバクラに通ってやたらお金を使う男性(ヲタク)に対して、お金を使われている側のキャバ嬢(メンバー)がもつイメージと同じ、
『最低の男』なのだから。
(文責:中村物語)
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(ここから新しい文章)
一般的に女性タレントはアイドルに限らず、結婚すると男性ファンが減る。
見えないところでやることやってるわけだし、それは男性ファンもわかっているけど、やはり現実として見せられると引く人が出てくるのだろう。
特にアイドルは疑似恋愛的要素が強いし、事務所側もそれを利用して商売している。
(結婚することによって、主婦タレントなど新たなイメージがつき、同性に人気が出ることもある)
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あらゆる組織にとって、世代交代は重要なテーマだ。
モー娘衰退の1番の原因は、世代交代を怠ったからだと思う。
売れた子を使い続けるほうが楽だし効率がいいけど、多少無理してでも新しい世代に投資しないと、売れた子のタレント生命が寿命を迎えたときに組織は崩壊する。
AKBに敗北したハロプロは、最近ようやく新しい世代を入れ始めたが(スマイレージ・モー娘)、どう見ても手遅れだ。
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選抜総選挙は最高のイベントだ。
誰が何位か予想するのは楽しいし、結果を見て好き勝手言い合うのは楽しい。
外野に何と言われようが、選抜総選挙と個別握手会は一生やるべきイベントだ。
人は何かに順位をつけることが大好き。
テレビ番組を注意深く観察すると、ランキングをつける番組の多さに驚くはずだ。
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人はまた、他人の噂話が大好きだ。
中高生・大学生の友人(特に同性同士)で集まると、必ず共通の知人の恋バナ・噂話で盛り上がるのではないだろうか?
女の子なら、誰がカッコイイとか、~先輩は誰と付き合ってるとか、~君からこんなメールが来たとか、彼氏の話とか、エロい話とか。
男の子なら、誰がカワイイとか、~ちゃんの彼氏がどんな奴だとか、~ちゃんを狙ってるとか、エロい話とか。
主婦なら旦那の話とか、社会人なら同僚や上司の話とか。
今も昔も、人は他人の噂話が大好きだ。
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芸能人というのは、親しい間柄でしかできない噂話を、不特定多数とできるようにするためのツールという一面がある。
AKBなら、~がカワイイとか、~が面白いとか、~がブスだとか、~がゴリ押しだとか、運営方法がどうだとか。
AKBという仮想の共通知人をもとに、好き勝手に噂話をするのだ。
しかもAKB(芸能人)は完全な他人なので、普段の噂話以上に好き勝手言うことができる。
僕がこのブログを書くモチベーションの1つも、そうした部分に由来している。
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総選挙はAKB側にとって最高のプロモーションになる。
今年の総選挙時期は、AKBに全く興味がない人たちも、『AKBが選挙をやってる』ことを知っていた。
そして総選挙には、ホストにはまる女性心理に近い要素がある。
『私が彼を支えてあげなきゃ』的な思い込みだ。
ブログを検索すると、無理してCDを何十枚も買ってる人が相当数いたが、ホストにはまる女性と同じ心理に陥っている人ばかりだった。
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僕がAKBに興味をもったキッカケは、AKBが公正取引委員会から行政指導を受けたニュースをmixiで見たときだ。
CDを買うとランダムで1枚ポスターがついてきて、48種類集めると特別イベントに参加できる売り方に違法性の疑いがあるとして、行政指導を受けた。
僕は同じCDを48枚(以上)売るという手法に衝撃を受けた。
『売り方の違法性以前に、そもそも買う人がいるのか?』
調べてみると、握手のために同じCDを何十枚も買う人が1人2人ではなく、たくさんいることがわかった。
『なぜこんなものに大金を払うのか?』
『そこまで人をひきつける仕組みは何なのか?』
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いまだに完全にはわからないが、多少わかるようになった。
確実に言えること。
『大金をはたいて何百回握手しても、ヲタクは握手しかできねえよwww アイドルはイケメン彼氏と遊んで、金持ちと結婚するww』
よく聞く意見だ。
この意見は完全に正しい。
そして、アイドルに金を使う人間の心理を全くわかっていない。
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AKBは今なら、誰が何をやっても売れる。
それだけの勢いがある。
しかし何をやってもうまくいく今だからこそ、常に自省し、一過性のブームに終わらせない戦略が重要だ。
AKBは明らかにジャニーズを目指している。
様々な部分でジャニーズ的戦略をとっているように感じる。
そして、その戦略は正しいと思う。
モー娘がうまくいっている時代、何をやってもうまくいった。
そんな時代だったから、できちゃった婚を連打したり、世代交代を怠ったり、その他たくさんの独りよがりな戦略をとっても大丈夫だった。
そこにつけいるスキがあったから、AKBに足をすくわれた。
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パチンコ・競馬・キャバクラ・ホスト・ブランド物集め・ネットゲームetc
どれも人生を台無しにするほどの魔力がある娯楽だ。
こうした娯楽の仕組みにこそ、アイドル運営のヒントが隠されていると僕は考えている。