五月雨式にやってくる問題群 -2ページ目

五月雨式にやってくる問題群

比喩じゃなくて現実

一般の人々や社会的諸機関が現場での決定を避けたがっていることを十分深刻に受け止めていないということ。第一階の決定負担を改善する、つまり負担を減らすためにとりうる戦略の範囲について、不十分でばくぜんとした理解しかできていないのである。たとえば、主体が固定した準則を受容する理由や、それに代わって柔軟な暫定的原則や基準を受容する理由は、検討されていない。また彼らは、これらの選択と、他者への委任や撤回可能な漸進的決定との間で下される選択も取り扱っていない。その結果、どのようにして主体や機関が問題を処理していくのか、あるいは処理していくぺきなのかを適切に理解できず、またそれにかかわる真の政治的・道徳的・法的諸問題を理解できていない。「第二階の決定」という言葉は、第一階の決定にともなう諸問題を単純化するための適切な戦略を決めることを指す。したがって第二階の決定には、なによりもまず通常の意思決定に踏み込まずにすませるための戦略も含まれる。ここには認知的な負担の問題があり、また、責任、平等、公正にかかわる重要な問題が存在する。