
NHK 混迷の世紀「世界は平和と秩序を取り戻せるか」 2023年1月1日NHK放映
世界の7人の識者に「安全保障、核兵器、エネルギ-、食料」のテーマでロングインタビューを実施した。
今起きてる世界の出来事は、日本の市民生活に直接的に影響が及ぶ重要問題であり、国民一人一人が考えることが必要と思います。
(1)スベトラーナ・アレクシェビッチ ジャーナリスト、ノーベル平和賞作家、ウクライナ出身
・ロシア/ウクライナ戦争は2023年いっぱい続く、プーチンはあきらめない
・ロシアでは今子供に戦車のおもちゃや子ども用の軍服を着せている。ヒトラーでもなかったことだ
・1年前までは、今の戦争を想像できなかった。
・第2次世界大戦で全てを破壊された反省から、現在の殺戮でウクライナ侵攻するとは思えなかった。
・ロシア人の考え方が変わってきた。ウクライナ戦争で亡くした兵士の母親に取材したときに、ジャーナリストに対して,あなたの取材を受けるとお金をもらえない。そのお金で娘の家を建てると言う。昔はそんなことは言わない、息子を弔うための墓をたてて、クレムリンを呪うとしていた。社会が退廃している。
・これらはプーチンの情報統制の影響。モスクワ市民は国営テレビの放送を信じている。ウクライナでのロシア人捕虜は自由に電話を許されていて、母親に電話で、ウクライナの人は悪い人はだれもいないと言っても、母親からは、「復讐しなさいとか、あなたはテレビを見ていないから真実を奪われている」と言われる。
・今のロシアでは戦争反対の声が広がらない。プーチンに反対する人は、職を奪われ、人々は無力化している。
「安全保障について」
(2)アメリカ イアン・ブレーアー国際学者
・ロシアはG7の経済から見放されて、6000発の核を持つ国際的な、ならず者国家となった。
・中国は先進国との関係を持ちたいと思っている。
・米国は発展途上国との溝を深めている。発展途上国は米国を支持していない。
・アメリカの政策が分断を生み、世界各地で分断が広がっている。
・アメリカは世界の警察官の地位にはない。
(3)フランス元外相 ユベリール・ベドロース
・アメリカがロシアを追い詰めた
・アメリカはロシアに対してこれまで傲慢な態度だった。
・NATO首脳会議でこれまでNATO加盟を画策したが、ドイツ・フランスが反対し将来の課題とした。
・ウクライナを中立すれば、ロシア侵攻はなかった。
・ロシアを完全に排除できない、
・ロシアとの対話の窓口を断ち切らないこと。対話は重要だ。
・イラク戦争のときには、フランスは米国から要請うけたが、フランスは平和的に解決べきと主張して戦争に同意しなかった。
・日本は独自の姿勢をアメリカに認めさせるかが大事だ。
・今はリーダーがいない世界である。
「エネルギー・食料問題について」
(4)ダニエル・ヤーギン ビューリツア賞、エネルギー権威
・ロシアはエネルギー大国でなくなる。
・ドイツとロシアはエネルギーで戦っているが、あと1-2年たつと政治的発言力がなくなる。そけは
・ロシアは欧州の市場を崩壊させた。
・欧州はロシアの依存を下げる
・ロシアは中国に依存する。
・プーチンはこれまで、4つの判断ミスを犯した。それは①ロシア軍は有能であると信じた②ウクライナからは歓迎されると見ていたこと③アメリカは国内で手いっぱいでウクライナに関わらないと見ていたこと④ヨーロッパはロシアからエネルギ-供給しているので、同調すると見ていたこと。
・風と太陽光は無料と考えていたが、活用するための設備を作るために使う鉱物資源で、銅などは2倍必要で、世界の銅生産が追い付かない。銅の38%はチリとペルーで採掘される。リチューム電池、ソーラーバネルの80%は中国で生産されている。必要な鉱物資源が手にはいらない。
(5)ジャックアタリ 経済学者、フランスの顧問。
・ロシアが食料を武器に人類史上最大の食料危機が発生する。15億人に影響する。
・過去4000年の歴史で食料危機で飢餓となり、戦争の引き金になっている。
・ウクライナ・ロシアは食料の30-40%を輸出に向けているが、2023~2024年に食料問題が発生する。
・食料危機は、戦争が食料危機を悪化、水不足、地球温暖化の影響がある。
・日本の食料自給率38%は食料安保から危機的状況・以下日本農業の問題と対応
・日本は農家が高齢化して農業人口減少著しい
・日本は農家を育成し、農業を魅力的なものにしなければならない。農業の社会的、報酬を魅力的にする。
・多くの土地を農業に使えるようにする。
・昆虫や雑草を調理して食料にしたり、肉を食べるのを極端に減らして、食生活を変える。豊かな食の意識を変えることが必要だ。
・食料について、自国で賄うようにしないと、日本は消滅する。
・世界では昆虫食を実用化しているところがある。
「核兵器について」戦争被爆国の日本は何をすべきか。
(6)国連事務次長 中満泉氏 :日本人初、国連軍縮問題を担当
・プーチンの核の脅しで、核兵器使用の緊張感が高くなっている。各国で核兵器を持ちたがる傾向となるので、危険な状況。核兵器廃絶に向けた取組強化が必要
・身近な問題を話し合ってほしい。日本は島国で話し合いの行動が少ないので、自分たちは何をするのかを考えて行動に移してほしい。
(7)ジャック マドロック アメリカ元駐ソ連大使
・レーガーン元大統領とゴロバチョフ元書記長の核軍縮交渉し核軍縮を実現した。その時にレーガンは、決して勝者と敗者の話をしない。核兵器廃絶は、世界のみんなが良い事と思っていることだ。
・レーガーンとゴロバチョフの対話にこそ学ぶことがある。共通の利益を探すには、裏での対話が重要だ。対話がなくなれば、先に進まない。たとえ同意できなくても相手の考えを聞くことが大切だ。