骨董品の焼き物の種類は多くありますが、多くの人が食器を瀬戸物と呼ぶことがあると思います。この由来となっているのが瀬戸焼で、瀬戸焼は愛知県の瀬戸市を含む周辺の地域で作られた焼き物を指します。食器などの焼き物に対して瀬戸物と呼ばれるようになったと言われています。瀬戸焼の歴史は古く、古墳時代から始まったと言われていて、今の瀬戸焼の特徴が出されるようになったのは、鎌倉時代初頭頃と言われています。瀬戸焼の特徴として、成形技術と豊富な色彩が挙げられます。成形技術では、愛知県で発祥した常滑焼から技術が伝承されて、その技術は時代とともに変化し鎌倉時代では成形技術は異なっていたと言われています。瀬戸焼はとても美しく、灰釉や鉄釉、青磁釉などの釉薬が豊富で、多くの色を使える技術を持っていたため瀬戸焼に豊富な色彩が出るようになりました。昔から多くの人々が瀬戸焼の魅力に惹きつけられていて、現在でも骨董品として多くの人に人気の焼き物です。
 

以前骨董品店に足を運んだ際、骨董品としてそれなりのお値段がついていた食器があったのですが、この食器、実家で現役で使用している食器と全く同じもので驚いたことがあります。ちょうど買取の鑑定をする方が席を外しており、骨董品に対してまだ知識の浅いという方しかいらっしゃらなかったため、その食器の骨董品としての価値を聞くことができなかったのですが、もしも今後高値になるようなことがあるなら・・・使わずにしまっておいたほうがいいのでは?!と思ったほどです。しかし、使われるために生まれたものが使われなくなってしまうと、一気に古くなってしまうような気がします。実家に帰った際に「この食器を骨董品店でみたよ」と伝えたら、祖母が若い頃に家にあったものを嫁入り道具として持ち込んだということで、それを祖母の母がかったのか、それ以前からあったものなのかははっきりとわからないようです。インターネットで調べればもしかしたら詳細が簡単にわかってしまうのかもしれませんが、そういうことはせず、愛着のある食器としてこれからも使っていこうという話になりました。
 

私が好きな骨董品は古伊万里の蕎麦猪口です。骨董市や骨董屋を訪れても、私が買うのはいつも古伊万里の蕎麦猪口ばかりであります。蕎麦猪口は飾ってもよいし、お茶やお酒を飲むのに使ってもよいものです。200年、300年前に作られた器と共に暮らす生活は何と贅沢なものでしょう。私は古伊万里の蕎麦猪口に魅了されてやまないものですから、これからも収集を続けていきたいと思っています。さて、そんな私にとって最も貴重なコレクションは何かと問われれば、やはり雨降り文様の蕎麦猪口であると言わざるをえないでしょう。雨降り文様の蕎麦猪口は、江戸時代初期のほんの十数年の間だけに制作されたもので、残っている物の数は大変少なく、市場に出ても高価になるが常です。しかし私は幸いなことに骨董市で1万円ほどで仕入れることができました。以来、この雨降り文様の蕎麦猪口が私にとっての一番の宝物となっています。骨董品が趣味の友人たちに見せても、みな一様にその美しさを讃えてくれます。私の自慢の骨董品がこの雨降り文様の蕎麦猪口なのです。ずっと大切にしたいものです。http://koyumeya.com/okayama.html