貴方はどうして 私に
人の形を 与えて
人の名前を 与えて
人のナカミを 与えなかったの？
口と言う名の汚い縫い目から 何度も縫い合わせてるのに
絶望が這い出る 糸が切られる
幾つもの色を捨てすぎて 色鉛筆を折り続けすぎて
指が汚れた 様々な色の黒に 汚れた この汚れた黒が
私を示すのだろう
貴方はどうして 全てに
人の心を 与えて
心の意味 与えて
心の形を 造らなかったの？
空まで届くほど 高く
壁を作り上げるあいだ 何度も
手を打ち 浴びた血には
色と味がない
不可解な温もりだけがある
貴方は誰で 私の中身は「誰？」
貴方はどうして
私はどうして
それは苦しくて？
人のナカミを 拒絶したの？