「由依ー」


「由依さーん」


「小林由依さーん」


お風呂に上がって、用意しておいた服がないことに気づく



多分、今頃私の服はベッドの上で私の彼女に
匂いを吸われているだろう


「わたしの服、持ってきてください」



扉を開けて、大きめの声で話す



そうすると、寝室の扉が開き
スタスタの由依が服を抱えて持ってきた


「ありがとう」


「こら、そっちも取らない」

 

 

 

私が着替えているすきに、洗濯物の服を取り出そうとする


素早く服に着替えて、両手を広げる



「おいで」
「お風呂入ったから、いい匂いするよ」



むぎゅっと効果音が聞こえてくるように

優しく抱き着かれる

 


「理佐の匂い、」

「いい匂いする」



私より少し背の低い由依

頭にキスをする



「由依も同じ匂いするよ?」


胸の近くでぶんぶんと頭を振る



「理佐の本来の匂い」



「それ、人間臭いってこと?笑」



「違うもん」
「いい匂い」


ぎゅーをして、1日の疲れを落とす


「ほら、由依の楽しみにしてるドラマ、始まっちゃうよ」



さっきまで強い力で抱きしめていたのに、


リビングに走っていってしまった


頭を乾かして、私もリビングに行く



「カチっ」


ポケットに入れていたライターを取り出して、換気扇を強にする



「あ、ダメ」
「理佐の匂い、消えちゃう」


ドラマを見て、泣いていたのか

鼻を赤くした由依が走ってきた



「タバコ吸ってるから、危ないよ」

 

 

口にたまっていた煙を吐く



「理佐の匂い、逃げるな」


そういって、さっきよりも強く抱きしめられる


タバコを吸いながら、彼女の匂いをかげるのが1番の至福だ


「由依、」

煙を口にためて、
由依の首を引き寄せる


「んっ、」


逃げる頭を逃さないように
腰に手を回す



「んっ、んー」


甘い声を出しながらも、眉間に皺が寄っている


「にぎゃい」


嫌そうな顔をしながらも、もっとキスして欲しそうな顔


まだ残ってるタバコを灰皿に押し付けて、捨てる



「由依、」


舌を絡ませて、


壁側に引き寄せる


軽く胸を触ると、
欲しそうに、寄ってくる



最後に音を立ててキスをして、


「ドラマ、いいところだよ」


テレビに視線を向けて、
壁に力を預けている由依を置いていく



「もっとしてよ」


後ろから由依の手が回ってくる



「ドラマいいの?」


「いいから、また後でいいから」


ほら、キスを早くしろと急かしている



「疲れて、今日は、見れないかもよ?」


「あーもう、いいから」


油断していると、由依が背伸びをしてキスしてきた



「やめてって言っても止めないからね」

 

 

テレビを消すことも忘れて

由依を寝室に連れていく