ターニング・ポインツの野安さん
最近のゲーム関係の記事を読んでいて一番共感するところが多いのが、今回のタイトルにもある野安さん。瑣末な結果に流されないで自分の考えてることを貫かれているのは流石です。サッカーファンとしても共感するところが多いですね(笑)
でも、最近の記事を読んで気になったことが二点。
プリペイドカード
任天堂はオンライン通貨を支配する Wiiが作り出す、「ユーザー直結POSシステム」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20061011/111491/
結 論の部分は異論はないんですが根拠がおかしいと思います。記事の内容を簡単にまとめると、「Wiiオリジナルのプリペイドカードを任天堂は用意する」→ 「通貨から商品、サービスまで任天堂が管理できるコミュニティを作ろうとしている」といった感じ。任天堂がハードやソフトを有機的に組み合わせて巨大な ユーザーコミュニティ、この記事で言うところの「国」を作ろうとしているのは間違い有りません。そして、それは「ゲーム」という枠組みを軽く超えていま す。でも、これって何もプリペイドカードから導きだなくてもいいんじゃないですかね?
そもそもこの手の議論はサイ バーマネーでよくあります。例えば、日本のオンラインゲーム市場で確固とした地位を築きつつあるハンゲームのハンコイン。ユーザーはこのハンゲーム独自の貨幣 を使って様々なサービスを受けるんですね。そして、その通貨が通有するという信頼がある限り、そのユーザーはハンゲームのコミュニティに属している。でも、これはプリペ イドカードに限られた話ではありません。サイバーマネーを購入するのにはハンゲームでもファンキャッシュというプリペイドカードを用意されていますが、クレジットカード、ケータイ一括決済等々、様々な手段があります。Wiiだってもちろんクレジットカードでも決済できます。
http://www.nintendo.co.jp/wii/features/virtual_console.html
プ リペイドカードが導入されるのはユーザー側がクレジットカードを保有していないことが多く、何とかして課金の手段を確立しなければならないという、メーカーの苦肉の策 です。小売、流通に利益が数割持っていかれますのでビジネスとしての旨みも薄いでしょう。サイバーマネーでならまだしも、プリペイドカードをこの記事の根拠付けに使うのは少々勇み足ではないでしょうか。
気軽に遊べるにはハードも大事
大人が増えれば、ゲームビジネスの条件も変わる 「面白いかどうか」はもはや最優先事項ではない
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20061026/112490/
こちらも大筋では異論がありません。生活というキーワードの下、据置機から携帯機にゲーム業界の中心が移った。これはゲーム業界に限ったことではない。その通りだと思います。しかし、PSPは生活の中で「気軽に遊べる」マシンなのかは疑問があります。
携帯ゲーム機という側面に注目すればPSPも「気軽に遊べる」の条件を満たしていそうなのですが、僕は前からPSPは携帯機っぽくないと考えてます。高い 処理能力や大きなメディアの要領を活かした美麗な絵を表示することができる。が、その代償にロードが長い華奢なハード。SCEの調査ではPSPが使用され てる環境がほとんど屋内だったのも当然だと思います。PSPがSCEが過去の成功体験の延長線上にある、機能を搭載し、サードパーティーの支持を受け、販 売戦略を取ってもソフト市場が盛り上がらないのは(それこそミリオンタイトルを出しているGCと比較すると面白いかも知れません。)、携帯機の文法にある ゲーム機ではなく、据置機の文法にあるゲーム機だからではないでしょうか。
記事の中で取り上げられたような「大人が持ち運べるデジタルエンターテイメント」は確かに携帯機に相性が良いです。しかし、据置機ではどうでしょう。PR や商品自体の物珍しさから一部には売れても大きなマーケットを築けるとは思えません。そもそも日常生活でメーカーが企画したとおりに携帯機を持ち歩かせるのは難し いことなんですね。DSでもやっと大人の人間に持ち歩いてもらっている段階です。生活の中に浸透するということはそれほど難しい。PSPは据置機での成功 体験が携帯機ビジネスで裏目に出てしまっているように見えます。
でも、最近の記事を読んで気になったことが二点。
プリペイドカード
任天堂はオンライン通貨を支配する Wiiが作り出す、「ユーザー直結POSシステム」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20061011/111491/
結 論の部分は異論はないんですが根拠がおかしいと思います。記事の内容を簡単にまとめると、「Wiiオリジナルのプリペイドカードを任天堂は用意する」→ 「通貨から商品、サービスまで任天堂が管理できるコミュニティを作ろうとしている」といった感じ。任天堂がハードやソフトを有機的に組み合わせて巨大な ユーザーコミュニティ、この記事で言うところの「国」を作ろうとしているのは間違い有りません。そして、それは「ゲーム」という枠組みを軽く超えていま す。でも、これって何もプリペイドカードから導きだなくてもいいんじゃないですかね?
そもそもこの手の議論はサイ バーマネーでよくあります。例えば、日本のオンラインゲーム市場で確固とした地位を築きつつあるハンゲームのハンコイン。ユーザーはこのハンゲーム独自の貨幣 を使って様々なサービスを受けるんですね。そして、その通貨が通有するという信頼がある限り、そのユーザーはハンゲームのコミュニティに属している。でも、これはプリペ イドカードに限られた話ではありません。サイバーマネーを購入するのにはハンゲームでもファンキャッシュというプリペイドカードを用意されていますが、クレジットカード、ケータイ一括決済等々、様々な手段があります。Wiiだってもちろんクレジットカードでも決済できます。
http://www.nintendo.co.jp/wii/features/virtual_console.html
プ リペイドカードが導入されるのはユーザー側がクレジットカードを保有していないことが多く、何とかして課金の手段を確立しなければならないという、メーカーの苦肉の策 です。小売、流通に利益が数割持っていかれますのでビジネスとしての旨みも薄いでしょう。サイバーマネーでならまだしも、プリペイドカードをこの記事の根拠付けに使うのは少々勇み足ではないでしょうか。
気軽に遊べるにはハードも大事
大人が増えれば、ゲームビジネスの条件も変わる 「面白いかどうか」はもはや最優先事項ではない
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20061026/112490/
こちらも大筋では異論がありません。生活というキーワードの下、据置機から携帯機にゲーム業界の中心が移った。これはゲーム業界に限ったことではない。その通りだと思います。しかし、PSPは生活の中で「気軽に遊べる」マシンなのかは疑問があります。
携帯ゲーム機という側面に注目すればPSPも「気軽に遊べる」の条件を満たしていそうなのですが、僕は前からPSPは携帯機っぽくないと考えてます。高い 処理能力や大きなメディアの要領を活かした美麗な絵を表示することができる。が、その代償にロードが長い華奢なハード。SCEの調査ではPSPが使用され てる環境がほとんど屋内だったのも当然だと思います。PSPがSCEが過去の成功体験の延長線上にある、機能を搭載し、サードパーティーの支持を受け、販 売戦略を取ってもソフト市場が盛り上がらないのは(それこそミリオンタイトルを出しているGCと比較すると面白いかも知れません。)、携帯機の文法にある ゲーム機ではなく、据置機の文法にあるゲーム機だからではないでしょうか。
記事の中で取り上げられたような「大人が持ち運べるデジタルエンターテイメント」は確かに携帯機に相性が良いです。しかし、据置機ではどうでしょう。PR や商品自体の物珍しさから一部には売れても大きなマーケットを築けるとは思えません。そもそも日常生活でメーカーが企画したとおりに携帯機を持ち歩かせるのは難し いことなんですね。DSでもやっと大人の人間に持ち歩いてもらっている段階です。生活の中に浸透するということはそれほど難しい。PSPは据置機での成功 体験が携帯機ビジネスで裏目に出てしまっているように見えます。
バグのないゲームは味気ない
今日発売の『ロードランナーDS』を買いました。実はこのシリーズはGBで出たものしかプレイしたことがないのですが、ファミコンオリジナルのグラフィッ
クに懐かしさを感じたのが購入した動機です。DS向けにアレンジされた絵や音楽が入っていてもオリジナルに切り替えて遊んでいます。内容は今更説明するまでもなく、きちん
とロードランナー。私がこのシリーズで一番好きなポイント、エディット機能もタッチパネルと相性は良好です。
それにしても、エディット機能があるゲームは素晴らしい。ユーザーをゲーム作りに参加すること自体が飽きさせない工夫ですし、ユーザー同士のコミュニケー ションの促進にも一役買ってると思います。DS版は友人にエディットしたコースを配布することが出来るので、開発者もそのような意図があるんでしょう。僕 が北米のゲーム業界を見て「羨ましいな~」と思うのは、バイオレンスなゲームが多い点ではなく、ユーザーがゲームを改変するMODの文化がある点ですね。
同じように僕はバグが好きです。このように言うと誤解を受けるかもしれませんが、もちろんデータを破壊したり、画面をブラックアウトさせてユーザーの時間 を数時間無駄にするようなバグはなくなればよいと思っています。致命的なものはソフトの交換が望ましいとも思っています。僕がここでいうバグとはもっと些 細でクリエーターが予期しない遊び方をプレイヤーが見つけたといった類のものなんですね。一昔前で言ったら「裏技」に分類されたような。
思えば、学校の仲間うちやゲーム雑誌の投稿で「裏技」と称してバグの情報を共有しあったのは、クリエーターの作るゲームの穴を見つけて自分達が新しい遊び を見つける行為だったのではないでしょうか。かの有名な『スーパーマリオブラザーズ』も開発中に見つけたバグでもユニークなゲームプレイに繋がるものは意 図的に残したらしいです。もちろん、『スーマリ』は見つかってないバグもプレイヤーに豊かなゲーム体験を提供してくれたことは有名ですよね。
次世代機と言われているものをざっと見ると、ゲーム機がオンラインに繋がるのが当たり前、保存領域を持つのが当たり前という時代に既に突入しています。 PCゲームのようにバグはオンラインでパッチを当てて、いつでも修整することが可能です。もちろん、それは望ましいことなのですが、プレイヤーが創造性を 発揮できるようなバグも一緒になって消えていく可能性を考えると、僕のようなオールドゲーマーは少し寂しいですね。
それにしても、エディット機能があるゲームは素晴らしい。ユーザーをゲーム作りに参加すること自体が飽きさせない工夫ですし、ユーザー同士のコミュニケー ションの促進にも一役買ってると思います。DS版は友人にエディットしたコースを配布することが出来るので、開発者もそのような意図があるんでしょう。僕 が北米のゲーム業界を見て「羨ましいな~」と思うのは、バイオレンスなゲームが多い点ではなく、ユーザーがゲームを改変するMODの文化がある点ですね。
同じように僕はバグが好きです。このように言うと誤解を受けるかもしれませんが、もちろんデータを破壊したり、画面をブラックアウトさせてユーザーの時間 を数時間無駄にするようなバグはなくなればよいと思っています。致命的なものはソフトの交換が望ましいとも思っています。僕がここでいうバグとはもっと些 細でクリエーターが予期しない遊び方をプレイヤーが見つけたといった類のものなんですね。一昔前で言ったら「裏技」に分類されたような。
思えば、学校の仲間うちやゲーム雑誌の投稿で「裏技」と称してバグの情報を共有しあったのは、クリエーターの作るゲームの穴を見つけて自分達が新しい遊び を見つける行為だったのではないでしょうか。かの有名な『スーパーマリオブラザーズ』も開発中に見つけたバグでもユニークなゲームプレイに繋がるものは意 図的に残したらしいです。もちろん、『スーマリ』は見つかってないバグもプレイヤーに豊かなゲーム体験を提供してくれたことは有名ですよね。
次世代機と言われているものをざっと見ると、ゲーム機がオンラインに繋がるのが当たり前、保存領域を持つのが当たり前という時代に既に突入しています。 PCゲームのようにバグはオンラインでパッチを当てて、いつでも修整することが可能です。もちろん、それは望ましいことなのですが、プレイヤーが創造性を 発揮できるようなバグも一緒になって消えていく可能性を考えると、僕のようなオールドゲーマーは少し寂しいですね。
野球を見るとRPGを思い出す
毎年この時期になるとプロ野球の日本シリーズが盛り上がりますね。僕はあまり野球に興味がないのですが、テレビを点けると否が応でも目に飛び込んできます。僕が野球を見て常々思うのが「なんか状況がRPGに似てるな~」ということなんですね。
僕はゲーム売り場に行ったときに必ず確認することがあります。どのゲーム機のソフトが店頭で目立つ場所を陣取っているか、逆にどのゲーム機が奥へ追いやられているか、また、同じハードでもどのジャンルのソフトが扱いが良いのか、です。ユーザーが実際に商品を選ぶ場ですから、売り場を設計する側も売上に合わせて必死に最適化を行います。これを調べると、それぞれのハードやジャンルがどれだけユーザーに遊ばれているかパッと分かります。
そのようにして、ここ数年ゲーム売り場を見てきて思ったのは、RPGの棚が一番目立つところから徐々に降りてきたことなんですね。もちろん、このような回りくどい説明をしなくても実際RPGの売上は下がってきてます。株式会社RPGといった感もあるスクウェアエニックスのコンシューマー部門を見れば一目瞭然ですね。FF、DQならばお祭騒ぎでみんな買ってくれる。でも、それ以外が売れない。現在、スクエニはFF、DQ以外のRPGが思ったように売れなかったのを受け、FFとDQの関連タイトルに開発資産を集中させています。大きなブランドを抱えるスクエニだからこそ、こういった施策ができるものの、ごく普通のRPGを抱える他のメーカーはもっと困っているでしょうね。RPGは一時はゲームという娯楽の王でした。しかし、今はその座から降りている。DSの普及がRPGとは全く無縁のところで進んでいったのが象徴的です。
しかし、RPGに取って代わるようなゲームの王は現れているんでしょうか?現れてるとは思えません。売れ線ソフトには必ず模倣ソフトが出るゲーム業界ですが、はっきり言ってそんなに売れないですよね。ジャンルが人気というよりかは人気タイトルがジャンルの中で唯一気を吐いてるといった感じに。圧倒的首位に立つジャンルがいない空位時代だと思います。(ちなみに悪いとは思ってません。)この状況が僕は「野球と似てるな~」と思うんですね。
野球
少し前まではスポーツという娯楽の中で圧倒的な人気を博していた。しかし、巨人戦の視聴率に見て取れるように今では多くのスポーツの中の一つとなりつつある。
RPG
少し前まではゲームという娯楽の中で圧倒的な人気を博していた。今では多くのゲームの中の一つとなりつつある。
野球
WBCや甲子園、日本シリーズにはお祭として多くの軽いファンを動員できる。
RPG
DQやFFにはお祭として多くのライトユーザーを動員できる。
野球
世代間の対立が激しい。王、長島を知る世代とそれ以降のずれ。若い世代のファンの獲得は失敗。
RPG
世代間の対立が激しい。堀井、坂口を知る世代とそれ以降のずれ。若い世代のファンの獲得は失敗。
野球
起源であるはずの米ベースボールとは異なる。
RPG
起源であるはずの米RPGとは異なる。
野球
高騰する選手達の年俸と視聴率の低下により収益のバランスが取れなくなってきている。
RPG
高騰するゲームの開発費と売上の低下により収益のバランスが取れなくなってきている。
僕自身はRPGをあまり遊びません。野球と同じように。だからタイトルも「思い出す」なんですね。
今日は睡魔から適当にまとめた与太エントリでした。
僕はゲーム売り場に行ったときに必ず確認することがあります。どのゲーム機のソフトが店頭で目立つ場所を陣取っているか、逆にどのゲーム機が奥へ追いやられているか、また、同じハードでもどのジャンルのソフトが扱いが良いのか、です。ユーザーが実際に商品を選ぶ場ですから、売り場を設計する側も売上に合わせて必死に最適化を行います。これを調べると、それぞれのハードやジャンルがどれだけユーザーに遊ばれているかパッと分かります。
そのようにして、ここ数年ゲーム売り場を見てきて思ったのは、RPGの棚が一番目立つところから徐々に降りてきたことなんですね。もちろん、このような回りくどい説明をしなくても実際RPGの売上は下がってきてます。株式会社RPGといった感もあるスクウェアエニックスのコンシューマー部門を見れば一目瞭然ですね。FF、DQならばお祭騒ぎでみんな買ってくれる。でも、それ以外が売れない。現在、スクエニはFF、DQ以外のRPGが思ったように売れなかったのを受け、FFとDQの関連タイトルに開発資産を集中させています。大きなブランドを抱えるスクエニだからこそ、こういった施策ができるものの、ごく普通のRPGを抱える他のメーカーはもっと困っているでしょうね。RPGは一時はゲームという娯楽の王でした。しかし、今はその座から降りている。DSの普及がRPGとは全く無縁のところで進んでいったのが象徴的です。
しかし、RPGに取って代わるようなゲームの王は現れているんでしょうか?現れてるとは思えません。売れ線ソフトには必ず模倣ソフトが出るゲーム業界ですが、はっきり言ってそんなに売れないですよね。ジャンルが人気というよりかは人気タイトルがジャンルの中で唯一気を吐いてるといった感じに。圧倒的首位に立つジャンルがいない空位時代だと思います。(ちなみに悪いとは思ってません。)この状況が僕は「野球と似てるな~」と思うんですね。
野球
少し前まではスポーツという娯楽の中で圧倒的な人気を博していた。しかし、巨人戦の視聴率に見て取れるように今では多くのスポーツの中の一つとなりつつある。
RPG
少し前まではゲームという娯楽の中で圧倒的な人気を博していた。今では多くのゲームの中の一つとなりつつある。
野球
WBCや甲子園、日本シリーズにはお祭として多くの軽いファンを動員できる。
RPG
DQやFFにはお祭として多くのライトユーザーを動員できる。
野球
世代間の対立が激しい。王、長島を知る世代とそれ以降のずれ。若い世代のファンの獲得は失敗。
RPG
世代間の対立が激しい。堀井、坂口を知る世代とそれ以降のずれ。若い世代のファンの獲得は失敗。
野球
起源であるはずの米ベースボールとは異なる。
RPG
起源であるはずの米RPGとは異なる。
野球
高騰する選手達の年俸と視聴率の低下により収益のバランスが取れなくなってきている。
RPG
高騰するゲームの開発費と売上の低下により収益のバランスが取れなくなってきている。
僕自身はRPGをあまり遊びません。野球と同じように。だからタイトルも「思い出す」なんですね。
今日は睡魔から適当にまとめた与太エントリでした。