こないだ、いつも御世話になってるピヨ幸さんに、無情の全駒プレゼントしようとしてたら途中で投了された。向こうの囲いまだ残ってたがこっちの玉入玉確定させた上と金3枚作ったのがさすがに効いたらしい。いくらやられていても詰み直前までは指して来るものとばかり思ってた。自己の評価が低い状態が長く続くと投げるのかな?人工知能に精神的ダメージ与えようとしてもしょうがないが、まあそれだけいつも悔しい思いさせられてるという事で…。
CPUは一つの戦型において、結構同じ形にしてくる事が多いので、何度も指していると次第に飽きる。なので、一回勝ったらもうそれでいいやという感じになる。否寧ろ、以前の雁木の様に一回も勝ててなくても、もうこの形は飽きたからいいや、となってくるw
そういう意味では、更にその戦型を楽しむには、こっちから何か妙な事をやって行かないとならない。
対振りも、別にやりたい作戦も無いしもういいやという感じで全くやってなかったが、こないだ村山七段が指していた将棋を観ていて、おお、これ忘れてた!というのが在ったので早速やってみた。
相手はピヨ幸。いつも通りこっちが後手。
何気無い中飛車と居飛車の戦いの出だし…いや、何か違和感が。そう、居飛車側、つまりこっちは飛車先を突いていない…。
飛車を一つ寄り、7筋を突く。所謂袖飛車というやつ。
歩を交換し、四段目に引いておく。中飛車封じ…という程でもないが、少なくともあまりご機嫌という感じにはならなかろう。
角を渡すと▲8二角から香と桂を取られるので気を付けなくてはならない。また、▲7八飛と飛車をぶつけて来る変化も在り、結構危険が多い。子供の頃一時やってて、何か変わった駒組みにしてそういう対策もしていたが、どうやってたか忘れた…確かあひるみたいな形にしてた様な…。
先手▲1八香。ひよこ達は穴熊が大好き。暇が有ればすぐ穴熊にして来る。否寧ろ、暇が無いのに穴熊にして勝手に劣勢になってる事もw 今回はこっちも手探りしながら指していたのでうまくできなかった為、かなり有効だった。
32手目△1三角は疑問手判定。確かに▲5四歩として角で1一の香を狙う手が在るのでちょっと変かなとは感じたが△3三桂とすれば5六の銀の使い方が難しいかなと思ったので。その為に5三に3枚も利かせてたんだが良くないか…。その後の変化確認しても悪かった原因は良く判らなかった。
飛車を8四に行く事ができれば飛車成が受からないので有利になるだろう。しかし飛車が動くと▲7六飛が在るのですぐにはできない。なので5三にいた銀を、じめっと6四に上がった。ほっとくと8四行くぞ…という感じ。今度は▲7六飛とされても7三の桂に紐が付いている。
催促され、先手の銀が5五に上がって来た。それを躱して更に7五に上がり、手薄な左辺に更にプレッシャーをかける。
ただ、この手はちょっと躊躇した。相手の銀が中央に出て来て威張っているのにこっちは相手の玉から遠ざかっているので印象が悪い。場合によっては良くない手になりそう。
ソフトンも△同銀を推していた。まあ今日はじっくりじめじめ行こうかなと思っていたので捌き合うみたいな手はやめておいた。
49手目、飛車を成らせたくない先手は▲8六歩として来た。
此処では△4六角と銀を取って6七に打ち込む手が在ったと思うが、ちょっと考えた末やめておいた。派手な手はやめてじわじわ陰湿に行く方針を貫いて…
▲7四歩、▲5三歩、▲5四歩と3歩使ってこっちの形を乱して来た。取っても取らなくても、▲5八飛と飛車を逃げた時に有効になっているというわけか。うまい事やるもんだね…。銀に次いで桂馬もそっぽに行き、対して先手の駒は着実に中央に向かいつつある…
評価は優勢。やっぱり無条件で飛車が成れるのは将棋においては結構大きいのかな。ただ、こっちも1三の角が使えてないし、▲7三歩成が受からない。5筋に嫌味ができた上、囲いの堅さが圧倒的に劣る。仮に優勢だと感じていたとしても具体的に勝ちに結び付けるにはかなり難しいやつ。寧ろ差は全く無いと思っていた方が良いパターン。
58手目△5三歩はもう少し考えるべきだったな…まあ考えた末、結局打ったかも知れないけど。
一発5七に歩を叩くのは普通かな~…でも歩切れの相手に歩を渡すのはどうかな…などと考え、結局ケチったらちょいマイナス。一歩で一手稼いどく方が良かったらしい。そりゃそうか…当然だが早速▲7三歩成くらってしまったし…
歩を使わずに金を寄る手、下がる手も在った様だ。5四に歩打たれた時にちょっと考えたけど、さすがに何か危なっかしいよな…と思いやめた。
60手目、△8七飛成。当然疑問手。△6八歩考えてたが何故指さなかったのかは自分でも判らない。開始から既に30分以上経過、早くも疲れてたか。しかもこの日はこれの前にも一局指してたし。
まあこれも理由を付けるとすれば前の図と同じく歩切れを継続させたかったという思いなんだが、後で△7七歩成として結局歩渡すから、先に渡しても大して変わらなかったって事だろうな…。
61手目▲7四と金(7三)に対して62手目△8六銀(7五)と逃げた。どちらも微妙判定。銀を逃げずに7七に歩を成ればこっちが良かった様だ。やりたい気持ちは在ったが、大駒一枚取るのに銀桂取られるの嫌かなと思ってやめた。そのと金が6三に入って来てその後大活躍してしまったので、やっぱりやっておいた方が良かったかも…いやいや、やはりまだちょっと早い。反動がきつくなりそうな手は避け、あくまでじとじと行く方針で。
先手が6三にと金を入って来たところでソフトは△8九竜という謎の手を示していたがわけが判らない。ただ一段目に入っておくだけとは。5九の飛車が動けなくなるって事?香が欲しいって事?それとも▲5五銀の抑止??
本譜は予定通り68手目△6七成桂としたが、見事に疑問手扱いされたw
69手目、図の通り▲5六飛。これが悪手という事で先程の疑問手とプラマイでプラスになってた。いっその事5四切って来るかと思っていたが、これはどっち付かずな感じ。
ただ、こっちも此処からどうやって攻めて行ったら良いかは判らない。こうして金が4筋で縦に並んでいると横から行こうという気がしない。通常の穴熊と比べて利きも多いし、早めに動かれた時などは結構有効だという事をピヨ幸はちゃんと知っている…。バリア穴熊とか勝手に呼んでるが、何か他の呼び方が在った様な。
まあ、とは言っても、特に攻めようという気は無かった。方針通りにじっとりと△7六竜。しかし、さすがにやり過ぎたらしい。
先手の攻めを切らすつもりで、72手目△6六竜としたが、73手目▲6四歩。△6二歩とするつもりだったがまずい手に気が付いた。歩打つと▲5五銀が在るな…と、思慮に沈んだ。ちょっと前にも在っただろうが、今度は竜取りになってしまっていて更に厳しい。
しかもそれ以外にも、▲5七金という強い手が在ったらしい。成程確かにその地点には利きが足りてない。割とうまくやってたと思ったんだが、色々手が在るもんだなぁ。
△6二歩▲同と△6四竜▲6三歩△6一歩▲同と△6三竜でと金を押し潰すのが夢だったが、金を渡してしまうと何の意味も無くなる。そんな簡単には行かないよねやっぱり…。
此処は既に互角以下になってしまっていると感じ、これでダメならもう負けでいいやと覚悟して歩打ちを決行した。
それにしても、ちょっと考えた末、いや、さすがに無いだろ…幾ら何でも落ち着き過ぎだろ…と思った△3一角が、まさか最善だったなんて…。
ピヨ幸ご乱心。いきなり暴発。飛車切りから、83手目▲5五銀として来た。ただ▲1三角成から▲5二金とされ、此方の玉はかなり薄い。暴発の筈が穴熊の暴力と化すかも知れない…。
87手目、当然の▲5二金。結局と金を取り除く事はできなかった。何てこった…。
ただ、根拠は全く無いのだが、何となく、これを凌げば何とかなる筈だとは感じた。もうひと頑張りすれば視界が開ける様な…とか言って、ただそう勘違いしてるだけであって本当は突破口無かったら笑うしかないが。大体、どうやって攻めるの先手玉。要塞全く手付かずなんだけどw
正解は判らない。△同金や、6一の歩で6二のと金を取る手が在るかも知れない。△5一銀打と踏ん張って切らしに行く手は在るのか?それともじっと△3一金としておく方が良いのか?仮にそうしたところで、▲5一と金や▲4二金とされた時に大丈夫なのか??
例えばプロが、こういうところを間違えたのは観た事が無い。形として当然なのか経験から来るものなのかは判らないが、強者にとっては恐らく考えるまでも無い状況なのだろう。最善手△3一金を、ノータイムで指せる人が羨ましい。一旦珈琲を飲んで落ち着いて考えた末、何とか指す事ができた。
見ようによっては、一手パスしてる様にすら見える。放っておいて、例えば先手が次に▲4二金として来ても、その時こっちの金は3一にいても4一のままでも△同金と取れるので、結果は変わらないからだ。▲4二金に対してもし△同玉としたとするなら、寧ろ金は4一にいたままの方が安全ではないか。
しかも、こっちは何取りにもなっていない。ただ受けただけという感じ。否、受けたという表現すらしっくり来ない。取られても交換にしかならない金を、ただ逃げただけという印象。角を持った相手にただ手を渡す、この終盤戦のさ中に、そんな事をしている場合なのか?
色々読んでもはっきりしなかった。ただ△5二同金にしろ△5一銀打にしろ、何となく、此処で金を渡し先手の持ち駒を角と金にさせるのはまずそうだな…という様な感覚しか無かった。
仮に手抜きしたとすると溶けるのは1000程度だが、もし先手がもっと駒を持っていたとしたら致命傷にもなりかねなかっただろう。▲4一金と金を取られるのがそれ程までに危険な事であり、一手かけてまで寄っておくべきなのだという、その認識をするのが圧倒的に遅い。遅いどころか、その脅威がイマイチ判ってない。そう、世間では、それを弱いと言うのだよ。
先手は▲8二角から香車を取って来た。これはさすがに攻めが遅かろう。△1六歩と、総手数92手目にてやっと攻撃開始。泥水に顔を伏してこの時を待ったっ…!
103手目、▲5四桂は攻めとしては厳しいが、既に持ち駒は豊富になっている上、この時の為に6六に竜を配置してある。先手玉に詰み有り。自らのバリアが邪魔をして逃げ道が無い。
この後110手目で先手投了。手順はラストに。
じめじめと地味な手を積み重ねて最後は一気に行った。いつも通り穴は多いが、珍しく方針を一貫した上でブレずに戦えた。
ちなみに以前、中飛車存続の危機みたいな事書いたが、その割にはたまに用いてる。幸がやる気無い時などは、力量の調整の為にあえてやってみている。まあ言うまでも無く、此処暫く天彦伯が採用する事が多かったというのが一番の理由だが…(2021年2月頃の話)。
V2.2
N+Lv30 ピヨ幸(R1650)
N-プレイヤー
P1-KY-KE-GI-KI-OU-KI-GI-KE-KY
P2 * -HI * * * * * -KA *
P3-FU-FU-FU-FU-FU-FU-FU-FU-FU
P4 * * * * * * * * *
P5 * * * * * * * * *
P6 * * * * * * * * *
P7+FU+FU+FU+FU+FU+FU+FU+FU+FU
P8 * +KA * * * * * +HI *
P9+KY+KE+GI+KI+OU+KI+GI+KE+KY
P+
P-
+
+7776FU,T1
-7162GI,T7
+2858HI,T1
-3334FU,T4
+5948OU,T1
-5142OU,T2
+5756FU,T1
-4232OU,T3
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-3142GI,T5
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-6152KI,T22
+7968GI,T1
-8272HI,T1
+6857GI,T1
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+5756GI,T1
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-1314FU,T11
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-7574HI,T2
+1918KY,T1
-8173KE,T41
+2819OU,T1
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+5453TO,T1
-6253GI,T13
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+5546GI,T2
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+6766FU,T3
-7484HI,T408
+8786FU,T1
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+7473TO,T1
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-8577NK,T1
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-8776RY,T466
+5659HI,T3
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+5654HI,T2
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-0017GI,T3
%TORYO,T0
おまけ
反転実戦詰将棋。先手玉、何やら広々とした、優雅なお屋敷に住んでらっしゃるなぁ…。
13手詰。あれ、そんな速いんだ…w
[+Mate:13] △2八銀打▲同玉(19)△1七香成(16)▲同香(18)△1六桂打▲同香(17)△1七銀打▲同玉(28)△1六龍(66)▲同玉(17)△1八飛打▲1七歩打△2五金打
2八へのタダ捨て、突然の不法侵入から1筋の壁をぶち破って捕える。金バリアには触らない。
自分は15~17手くらいかかるやつを読んでいた。いずれも難しくないが、指してた時は何やら緊張して慎重になった。
おまけ2
これは今回挙げた対局の前に指したやつの最終盤。同じく袖飛車対穴熊。
先手が7三に角成って来たところでラッシュかけて穴熊から引きずり出してMate Mate Mate!割と完勝系かな…。
陣形は去年ちょっとだけ書いた、子供の頃愛用していたエルモに似ている謎囲い。上部をちょっと崩されているが基本的には歩が三段目にフラット。名付けてエルモドキ。



















