鬱々とした日々を吹き飛ばし
「ひと」に生気を与えるのは
神サマめいた小綺麗な”ことば”で自分を調教することだけではない
「ひと」の心の裏にある本音をえぐり出し認知することだ
ひさしぶりに触れた「内館牧子」節
『弘徽殿女御』コードで読む源氏物語異聞
「十二単を着た悪魔」
本の帯には”「源氏物語」に革命を起こす「紫式部」への果たし状”と、きた
紫式部の源氏物語は
美男美女ばかりが恋愛に耽り優遇され美しく扱われて
脇で真面目に生きている人間を軽く扱う
それをひっくりかえした視点で読ませてくれる
痛快で面白かった
内館牧子さんといえば大河ドラマ「毛利元就」の脚本を担当し
松坂慶子さん扮する”杉の方”に
「女は顔じゃ。心なんぞヒマな時に磨けば良いのじゃ」と、いう
名ゼリフを言わせた方だ
わたしが作中で共感した
「弘徽殿女御」が「六条の御息所」に言うセリフをあげると
「私はね、とても運の悪い人間なの。だから本当に退屈しないわ。」
「運の悪さに負けないためには、色んな方向からものを考え、
実行しなくてはならないの。それはおもしろくてよ」
「私はね、人生を幸せにすることのひとつが、
『身の丈に合わないもの』を追い求めることだと思うのよ」
「光(源氏)なんて、どこをどう比べてもあなたよりうんと格下で,
あなたの身の丈にあいません。
でも、あなたは追い求めて夢中になった。
短い人生の中で、たくさんの喜びや苦しさを知って、輝いて、
お幸せな人だと申し上げているのよ」
「身の丈に合ったことをしようなんて、そんなのは気の弱い小者が求めることよ。
あなたはとてもいい人生を送って来られた」
そして内館氏は「光」に「弘徽殿女御」をこう語らせる
「あのお方は、いつでも何が合っても毅然としておられる。
何を言われようと、歯牙にもかけぬつよさがある。
狡さも野心もあって面白い。」
「可愛いだけの女、身体だけの女はすぐあきる。
優しくて細やかな女はだんだんうっとうしくなる。
教養と知性に富んだ女は、やがて肩がこってくる。
私にすがって頼りなさ気な女は…通わなくなる」
「大后様(弘徽殿女御)はいくら一緒にいてもあきないに違いない。
強さから来るうつくしさもいい」
「光」はやっぱりハードルが高い女人を好むのだな(笑)