ゼラニウムの庭 | 日の日の日の記

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日々の覚え書き













ポプラ社  





最近、読み終えた小説です。





「人は永遠の若さを願うけれど。

彼女の秘密はあまりにも切ない。



秘密の存在はそれを知る人々に大きな影響を与えて行く



わたしに家には謎がある


双子の妹は、その存在を隠して育てられた。


家族の秘密を辿ることで浮かび上がる、人生の意味、時の流れの不可思議。


生きることの孤独と無常、そして尊さ 」





この「帯」の記に魅かれ手にとりました。





最近、人生の意味を、狭く偏って考えてしまっている自分に



寂しさを覚えながらも



また、ミステリーのように、謎、謎と聞くと、それもそそられしまい…(笑)





物語としては、なかなか読みやすく楽しめました。




















双子の姉妹、豊世と嘉栄。


豊世は普通の人と同じ時間で成長し


嘉栄は著しく成長の遅い身体を持って産まれました。


双子の親は嘉栄の病気を世間に公表することを良しとせず


人知れず大きな屋敷の中で彼女を育てます。



しかし、身体の成長の遅い嘉栄は、


彼女の面倒を見続けた親にも、


姉妹の豊世にも、


豊世の娘にも、豊世の孫にも



当たり前だけれど 先立たれます。





嘉栄の前には新しい命が産まれては消え、産まれては消えていき





彼女は人を見送りつづけるのみ……

















そんな彼女の人生の対極に、


いつまでも若く美しい嘉栄を疎ましく思いながらも


年を取らない彼女を哀れに思い、守りつつ、


人並みに年を取って死んで行く豊世や豊世の娘、またその娘たち。




嘉栄の父親は、病気の嘉栄を、いつまでも守リ続けられるようにと


仕組みを作っていったのです。



そして子孫にあたる、豊世の娘、孫には、嘉栄を守るために生きよと…




これも、代々伝えられて行くのです。
















嘉栄は、


他者とかかわれば、時間の流れが違う人間であることを


知られてしまう怖れがあり



だから、一定の期間を共に過ごしたら相手から姿を消し、関係に終止符をうちます。



住む場所も人間関係も、転々としてゆき、




きっと、一生を通じての友人を作ろうとも思えないでしょうし…








不老不死とも違う



普通の人間の何倍も遅い身体の成長と長過ぎる寿命とは



なんと孤独で……





寂しいものでしょう。















随分









自分の中で色々と…思うところがある小説でした。









読書感想文は不得意なので…





ここまでにします。



















最後までお読み下さりありがとうございました。












Peace and Shanti !