あれは灼熱の太陽が降り注ぐとある夏の日、3社目にしてやっと貰った内定通知を片手に夢を膨らませているとその駅に到着した。


「アキーハバラ~、アキーハバラでございます、つくばエキスプレスご乗車の方はお乗り換え下さい。」
そういえば、つくばEXって乗った事ないなーと思ったと同時に体は動きだした。特に私の最寄り駅も無く、秋葉原に用事が有るわけでもない。
ふと我に返った時には電車のドアは閉まりホームにたたずむ1人の爽やかボーイが居た。
電気街に行く訳でもない、メイドさんと遊ぶ訳でもない。ただ夢中で階段を降り改札へ。初めの感想、「高っ!」その電車の初乗り運賃は旧国鉄の2倍はあるだろう。自動扉の付いたホーム、綺麗なベンチ、そんな初めての空間に酔いしれる事12分、電車の到着を知らせるアナウンスが流れた。

続く…
「第1回 桜井文学賞」を目指す消臭小説はまた来週!