49年前
母は わたしを産んで 母親 に なった
わたしがうまれた年というのが
60年に一度巡ってくる
「気性が荒く 縁起の悪い子がうまれる」
と いわれている年で
当時はまだ そんな言い伝えを
信じている人も 多かったから
母は 親類たちから
「本当に産むのか」「産まない方がいい」
などと いわれたらしい
でも 母は 産むことを決めた
わたしより先に 生まれてくるはずだった命が
この世に生を受ける事なく
消えてしまっていたから
まわりから 何と言われても
産もうと決めた
わたしはうまれた時
息をしてなくて
産声をあげなかったから
また だめだったのか
と 目の前が 真っ暗になったが
じきに聞こえてきた泣き声に
安堵し
涙が あふれたと言う
まったく あんたには 産まれたすぐから 心配かけさせられるよ
と 母は 笑って話す
いつまでたっても 心配ばかりかけてるね
でも
産んでくれて ありがとう
おかあさんの娘で よかったよ










