緊急事態? | 西池袋TKデンタルクリニックブログ

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西新宿歯科クリニック 院長の武末です


本日の土曜、ようやくスイス・リヒテンシュタイン研修から草間先生と歯科衛生士の木村、田嶋さんが

帰国してきます。


どうやらアイルランドの火山はおとなしくしてくれているようで、今はロシア上空にでもいるのでしょうか?


この一週間は、いつもながらのお留守番ウィーク。


草間先生は海外への研修が多いのですが、そのたびにまずは留守中の安全な診療をとても気にしながら

出発されます。そこへの危機管理は12年前も今も変わらず。


私はいつも「先生、大丈夫ですよ」って心の中で思ってましたし、これまで特に心配なことがおこったことも

実際にありませんでした。


しかし、昨日の金曜、私の患者さんではありませんでしたが、他の非常勤のドクターが担当してる

患者さんが、治療中に様子が急変する出来事が。



私は4番ユニットで自分の患者さんを治療中でしたが、1番ユニットで他のドクターが治療中の患者さん

の様子が急変したということで、すぐに大声で「武末先生!!」と呼ばれました。


通常の診療中ではありえないくらいの大声だったので、その異常事態はすぐに察しがつきましたが、

詳細や状況はまったく把握できていなかったので、自分の患者さんの治療中ということもあり、

呼ばれて1番ユニットに駆け付けるまでに、10秒近い時間が経ってしまいました。


近づくなかで、すぐにユニット(診療台)に横たわってる患者さんの顔が見え、顔面蒼白な様子は

すぐにわかりました。おそらくショックだと。


そこにいて担当していた先生もスタッフも、私の指示を待ってる状態でした。


正直、おろおろしてるように見えました。


何の治療をしていて、どういう状態だったのかも私はその時にはわかりませんでしたが、とにかく最初に

私が行ったのは意識の確認でした。


「この方の名前は?」と担当ドクターに尋ねると


「○○さんです」


私は「○○さん、○○さん、わかりますか?」と肩を揺らしながら大きな声で目を見て呼びかけるものの

反応なし。


すぐに周りにいたスタッフに大きな声で


「AED持ってきて、そして酸素」 「余裕があればあなたはモニター」


スタッフはその指示後はとても迅速に動いてくれました。


シャツのボタンとベルトをゆるめ、最悪の事態のときのための準備をしつつ、おでこに手を当て

呼吸確認、気道確保の段階へ移ろうとしましたが、念のためもう一度意識確認のため名前を

一度だけ呼び肩をゆすると、その患者さんはいきなり意識が戻ったようで、


「え??、ここはどこ?」という感じ。


一気に顔の蒼白な感じが消えはじjめ、血の気が戻ってきたのがわかりました。


「わかりますか?○○さん」と問いかけると


「わかります。大丈夫です」と


この間は私が駆けつけてから、10秒ちょっとの短い時間ではありましたが、そこにいたスタッフみんな

がとても長い時間に感じたと思います。


ここまで来たら、一安心です。しかし念のため酸素を鼻からゆっくり深呼吸しながら、吸入してもらい

その間に、全身のモニターを準備。


血圧、SPO2、心電図はとりあえずしばらくつけっぱなしに。


脈拍、血圧、心電図すべてに異常なし。酸素与えながら、きちんと自発的に呼吸をしてますから

当然ながらSPO2も100.


ここでようやく担当医とアシスタントに、それまでの治療の経緯を尋ねました。


抜歯のために麻酔をしてから20分が経過したところ。麻酔直後も全く変わった様子もなく、抜歯を

はじめ、途中で追加の麻酔をおこなったのが5分前。すでに1,2分前に抜歯は終了しており、

止血していたときに急変したとの報告。とくに既往歴などもなく、最近も、麻酔下での治療も何度も

行ったことがあり、その時も異常などはなかったと。


特に歯科治療への恐怖感や緊張状態もなかったと担当医は言いました。


しかし、本当にそうでしょうか?


私は4番ユニットに自分の治療のために移動する前は、実は隣の2番ユニットで途中の会話を

一部だけですがなんとなく聞いていました。


その中に結果から原因を探るようなことにはなりますが、ヒントらしきものがあったように思います。


自分の患者さんが自分の治療中になんらかのショック状態や、異常事態が発生した場合は、その方の

情報も、治療内容もすべて頭に入ってますから、完ぺきではないにしても、ある程度原因のようbな

ものがすぐに頭に浮かびますし、それによりしかるべき対処法も迅速に取ることができます。


しかし今回のようなケースでは、その方がそうなった理由が最初はまったくわからないので、助けを

求められても、情報の不足からくる私自身の不安もかなり大きかったのは事実です。


もちろん、ある程度の救急時の対応の知識はあるものの、情報があれば、確固たる自信と責任から

くるベストな対処が可能であるはずなのに、あくまで一般的な救急時の応対から入らざるを得ないのは

私にとっては初めての経験でした。


ちょうど夕方の出来事でしたので、患者さんは自宅に帰られたら念のためクリニックにお電話を

戴くことにしました。もちろん無事に帰宅されたようで、再度一安心。


診療が終了後にスタッフ全員が自発的にあつまって、救急時の対応についてミーティングをしていたのは

さすがだなあと感心しましたが、一応私もそこに参加して、ドクター、歯科衛生士はもちろん、受付、

歯科助手、全員が常勤、非常勤問わず、適切な行動をとるための事前準備がどれだけできているのか

再確認をして、それぞれが現状で足りない部分の補足と、本日の反省を行いました。


今日の患者さんの場合、正直私がいなくても、ある一定のごく短時間の中で、意識は戻ってくれたはず

です。ある程度自然に。


しかし、本当にCPRやAFDなどの処置が必要な状態だったら、はたしてみんなはちゃんと対応できた

のであろうかという疑問は残りました。


正直、患者さんが急変してから、私を呼ぶまでの間に、なされているべきことが十分に行われていなかった

という点があったのは事実。


年間で延べ1万人ほどの患者さんを診療していたら、頻繁ではないにしろ、ある一定の確率で今回の

ようなことに遭遇します。


術者側にとって避けられたものとそうでないものが混在し、避けられるものに関しては事前の

リスクマネージメントによりそのほとんどは回避できますし、避けられないものに関しては、そのような

事態においての冷静かつ的確な判断と処置の訓練を要します。


草間先生が留守の間に起こった初めての緊急事態?でしたが、患者さんも元気にお帰りいただきましたし

何事もなく、とりあえず、留守中の責任は果たせたのかと思っております。





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