こんにちは!

西尾で読書会の宮子京(みやこ けい)です。
 
例年の7月は楽しいイベントが盛り沢山ですが、今年は新型コロナウィルスの関係で数が激減しています。
新型コロナウィルスは現在進行形の問題なので、仕方ないことではあります。
 
「生きているうちに楽しい思い出を大切な誰かとたくさん共有する。」
 
という目標に対してほんの少し速度制限がかかった感じがします。
 
この点に関して、読者の皆様は、どのようにお考えでしょうか?
 
 
 
さて今回、今回ご紹介する一冊は、
 
「生きることを考えることは、死に方を考えるということ。」
 
ということで、
 
 
 
セネカ『2000年前からローマの哲人は知っていた 死ぬときに後悔しない方法』文響社、2020年
 
 
 
という本をご紹介します。
 
この本は、ルキウス・アンナエウス・セネカ(以下セネカと略)という古代ローマの哲学者が、「死」との向き合い方を説いた8つの作品をもとに編集・翻訳された原著『How To Die:An Ancient Guide to The End of LIfe』の邦訳版となっています。
 
 
 
直面している現実があまりにもツラかったり、苦しかったりするとき、私たちは、
 
「死にたい…」
 
と心の中で強く願い、そしてそれを口にします。
 
この本は、「死」とのより良い向き合い方を教えてくれる一冊です。
 
 
 
私自身は小学生くらい頃の記憶として、電灯を消した暗い部屋でタオルケットにくるまって、
 
「僕はいつか死ぬ…。それが怖い…。」
 
と暗闇でビクビクおびえていた記憶があります。
 
私は発達の過程において、
 
子どもにとっては未知の部分が多すぎる「死」という現象に対しておびえていたということです。
 
 
 
学生時代には、原付に乗っているときに交通事故で死にそうになったことも有りました。
 
でも、幸運なことに私は生きています。
 
 
 
精神科病院のベッドの柵にシャツを結んで首つりによる自殺企図をしたことも有ります。
 
でも、幸運なことに私はまだまだ生きています。
 
 
 
死にかけたり、死のうとしたことは何度かあるのですが、今更死のうとは強くは願っていません。
むしろ、「死」を願うことに向けていたエネルギーを、よりよく生きるためのエネルギーに使いたいと強く心の底から願っています。
 
 
 
この本の中でも、
 
「人はいつか必ず死ぬのだから、よりよく生きるということを考えよう。」
 
というメッセージを強く感じました。
 
 
 
「どのみちいつか死ぬことが確定しているのであれば、よりよく生きることを目指したほうがいいのではないか?」
 
セネカの思想の中にある「死」に対する考え方が一冊にまとまっているのでとても読みやすかったです。
 
 
 
新型コロナウィルスによる死者数が地球上全体で万単位で発生している、このコロナ禍のもとで、日頃からの「死」に対する精神的な備えの必要性を痛感しました。
 
 
 
自らの手で死んでしまっては、
 
大好きな人に「愛しています」と伝えることも出来なくなります。
 
好きな人達と将来の夢を語り合う楽しみも失われます。
 
だからこそ、セネカの考え方が現代にまで伝わってきているのだと思います。
 
人間関係がツラいときには、今ツラいと周りの誰かに愚痴ってみたり、本を読んでみたり、気持ちの逃がし方はいくつかあります。
 
 
 
ここまで、書いているうちに思ったのですが、
 
 
 
「これから将来を生きていく中で、私にとっての最高の死に方ってどういう形だろうか?」
 
 
 
ということを考えました。一つには、
「(ひ孫達から)ひいじいちゃん好き!」
 
 
 
と言われたら、最高だと思いました。
 
「それ、一体いつ実現する話?」
 
というくらい遠い遠い先の話ですが、笑。
 
こういうことを考えながら目の前の仕事を一つ一つ丁寧に片づけているうちに、たぶん私もあちらの世からお呼びがかかります。
 
お呼びがかかったときに、後悔が少なくなるように一日一日を楽しんで生きていこうと思います。
 
読者の皆様とともに、読書生活を楽しめることを願っています。
 
 
 
それでは、また次回!!