金木犀。日曜日は雑感DAY | 寺社巡る文筆家
夕方
ラムネのオレンジみたいな色の
山の端を眺めながら坂道を歩いていた。
ほんのりと漂ってきたのは
金木犀の香り。
キョロキョロと探すが
薄暗くなってきてその姿は見えない。
諦めかけた時
急ブレーキを踏んだような勢いで
突然香りがキツくなった。
振り向くと植え込みに金木犀。
嗅覚と視覚とだけではものたりず
花に指先を伸ばす。
触れるか触れないかで輪郭を感じる。
ホロリと掌に落ちたなら
口に入れたかもしれない。
無色だった風に
かすかに色が混じった気がした。