推しメンがまさかの…人はそれを喜劇と呼ぶだろう①はこちらこちらをお読みください




昨年のクリスマスの悲劇から約半年。 
僕はやっぱり推しメンを変えられないでいた。
清楚かつ少し根暗な雰囲気が気になって離れられない。
せっかくのレギュラー番組の司会もたどたどしくて心配でハラハラしながら見てしまう。
もうじき新曲のメンバーの発表だから余計に落ち着かない。

そんなある日、おばあちゃん宅に母と行った。
僕が小さい頃はよくうちに来てくれていたけれど、命に関わる病気をしてからは来られなくなって、反対に僕達がおばあちゃんを訪ねるようになった。

母が体調を崩していたのもあってちょっと久しぶりだった。

「何食べたい?お寿司行こか?」

コンビニさえない僕の家と違い、おばあちゃん宅の近所には回転寿しのお店が3つもあった。

デザートが充実しているお店を選び、満腹で満足感いっぱいの帰り道、僕はある事を思いついた。

スマホをポケットから取り出し、画面の推しメンの写真を無言でおばあちゃんに見せた。

「あら、お母さんやん」
とおばあちゃんが言い、同時に母が
へっ?とこちらをみた。

一瞬で全てを悟ったらしく、不敵な笑みを浮かべている。



……オワタ。