なんやろ、さっきよりこの石、あったかいわー。
ほーいさんは手に伝わる変化を感じていました。
じんわり沁みて落ち着きます。
目の前からは畑の畝の間の細い道のような、草の生えていない土の筋が轍となって湖に繋がっています。
どん味なんでしょう…
それだけが気になって急ぎ足になります。
水際に立って湖全体を眺めると、思っていたより全体は小さく、周りには木々が生い茂り、湖面に届きそうな枝があちこちから伸びていました。
一面を見渡すと今度は雲が映り込み
水は白っぽく見えました。
味をみなきゃ…ね
すくおうとかがむと、大事に持っていた石は、これまた、自分から飛び込むように湖に消えました。