ラジオが持っている才能は『参加性』と『機密性』だと個人的に思っております。

『参加性』については、「ハガキ職人」が、時間とお金(ハガキ代)を払って、ラジオに参加しているのが例として分かりやすい。

それが「やりがい搾取」かというと、全然そんなことはなくて、ハガキ職人さんからすると自分のネタが受け入れられる(電波から流れる)ことで、一種の快楽を得ることができるし、友人関係で優位に立てる。
そこから秋元康さん(元ハガキ職人)のように仕事に繋げることもできる。

ハガキ職人さんはキチンと『対価』を受け取っているんですね。

皆そのことを理解できているから、ハガキ職人さんに対して「なんで、お金を払って働いてるの?」とは言わない。


もう一つ、『機密性』について。

おそらく、ナインティナインさんの『めちゃイケ』と『オールナイトニッポン』の棲み分けが一番分かりやすいと思うのですが、
ハイテンションでマスに向けて発信していた『めちゃイケ』に対して、
オフモードで“気心の知れた友人に話しかけるように”『めちゃイケ』の裏話など発信していた『オールナイトニッポン』。

この二つのコントラストがメチャクチャ気持ち良くて、『オールナイトニッポン』のリスナーは『めちゃイケ』を観ながら「私だけは、その時の岡村さんの裏の苦労を知っている。ムフフ…」と悦に入ることができた。

ただ、インターネットが出てきて、SNSで誰でもニュースを作れるようになってしまった為、ラジオは『機密性』が失われ、「秘密の共有」が極めて困難に。

加えて、ネットニュースでは文脈が鬼のように切り取られるので、メチャクチャ尊敬の念と愛情を持って「鶴瓶師匠って、ほんとにバカ野郎だよなー」と言っても、『キンコン西野、先輩批判「鶴瓶はバカ」』という見出しのネットニュースになり、ほとんどの人はニュースの見出ししか見ないので、「西野が鶴瓶師匠を批判した」ということで話が進んでしまう。

ラジオのパーソナリティーさんからすると、「そんな切り取られ方したら、もう何も喋られへんやん」といった感じ。

それでも今日もラジオは面白いけれど、『機密性』が保たれていた時代に比べると、やっぱり、やり方を考えなきゃいけない。

もうお気づきかもしれませんが、ここ最近、オンラインサロンに力を入れています。
理由は『参加性』と『機密性』の両方を兼ね備えているからです。

昔のラジオの感じなんです。

本音で話せる数少ない場所がオンラインサロンで、向こう1~2年は「あやしい!」「宗教だ!」という非難する人が一定数いると思いますが(タレントさんは将来の自分の選択肢を減らすことになるので、内容を把握しないうちに非難しない方がいい)、今後、オンラインサロンから生まれるエンタメは増えてくると思います。

僕が一方的に発信しているわけではなくて、投げた球をパコパコ打ち返してくれるので、連日勉強させてもらってます。
今年の年末には大変なことになっていると思います。




【オンラインサロン】
毎日、議論&実験を繰り返してます。