世界一利益に直結する「ウラ」経営学(日垣 隆/岡本吏郎)

3400冊目(2009-01-19読了)


作家日垣隆氏と、税理士の岡本吏郎氏による、「利益」をめぐる対談。


ひとこと要約
大衆消費財以外の商品には、それなりの価格をつけるべきである
理想論ではなく、現実を見て、手をうつこと




ユニークな議論が展開。
印象に残るのは価格設定の話。
もちろん価格が上がれば、お客は減る。
しかしどれだけ減るかは、実際にやらなければわからない面がある。
一定の価格までは、ほとんど変わらず買って下さる場合は多いものだ。
思い込みで行動を縛ってはならないだろう。


会計などに関する専門的な話が展開するのかという予想もあったが、そうではなかった。
商売に役立つ話が多数あったように思う。
メモする箇所が多い本だった。


経営者および、ビジネスマンの方に広くおすすめできます。



目次
第1章 《間違いだらけの会計常識》だからあなたは儲からない
第2章 《価格常識のウソ》安売りは自分の首を絞めるだけ
第3章 《資産づくりの勘違い》財産と思ったら負債だった!?
第4章 《かけ算の経営戦略》衰退産業にこそチャンスが眠っている
第5章 《経営者の資質》この社長なら会社は安心か?


ラインマーク
・自分の腕に自信があるのなら、出す相手からは充分に取るくらいの気持ちがないと先行きは危うい。自分のスキルだって上達しない。

・消費は自己表現。コモディティー以外の商品の単価は、絶対に高いほうがいい。

・今試しているのは、コンプリートシリーズ。1番から10番まで用意しておくと、全部買わないと気がすまない人がいる

・PDFというのは空気を売っているようなもので、在庫はいらないし、ラク

・ビジネスがうまくいっている経営者の共通項は、打ち手が多いこと

・商売のうまい人は牛乳1本1000円とか、独自にとんでもない値段をつける

・対談で一貫して流れていたテーマは、理想から現実を見るのではなく、現実を直視した変化を行うことだったように思う



世界一利益に直結する「ウラ」経営学(日垣 隆/岡本吏郎)


千載一遇の大チャンス(長谷川 慶太郎)


3399冊目(2009-01-16読了)


長谷川慶太郎氏の最新経済本。

ひとこと要約
 今回の金融危機は、資本主義につきもののバブル崩壊によるもの。そうした中、日本は大きな損害を被らずにすんだ唯一の国。チャンスでもある。
 21世紀はやはり、アメリカの強大な軍事力の下での、大きな戦争のないデフレの世紀。
 売り手に地獄、買い手に天国の時代。国家も企業も、公共投資、研究開発に努力しなければ生き残ることはできない。



豊富な情報をもとに、今回の「金融危機」について、そして、今後の世界の動きを予想している。

かなり大局的な見方のようにも思えたが、従来の氏の見通しを変えていないことが、印象的だった(戦争のないデフレの世紀。その本格的な始まりではないかという見方が今回追加されているが)。


「恐慌」という文字が、書店にあふれる中、ひときわ明るいタイトルの本である。

現在、マスコミが、不況を大きくする方向に動いているように見えるので、こうした逆の視点が出る必要がある。それが成熟した文化だろう。


マクロの趨勢を知るために、そして様々な視点を得るために、広くビジネスパーソンにおすすめしたい本です。


目次
第1章 日本は今、千載一遇の大チャンス
第2章 米国主導体制はゆらがない
第3章 金融危機は不均衡を生む
第4章 これからの世界経済を想定する


ラインマーク
・「デフレ」は日本の企業経営者にとっては厳しい選択を迫ることになる。「技術の研究開発」に血道をあげて努力しない企業経営者は、国際市場はもちろんのこと、国内市場においても存在が許されない。これは凄まじい、厳しい負担を「売り手」である企業経営者に求めることは言うまでもない。それに耐え抜くだけの決意と、同時にまた努力を積み重ねていく、その成果が企業の経営の存続につながると言って間違いない。
・今回の「IMF」の機能強化、とくに財源の強化について、日本が世界の主要国の中で最初に、同時にまた最も規模の大きい拠出によってイニシアチブを発揮したということは、きわめて重要なことである。それはまた同時に、今回の「金融危機」で、日本がほとんど被害を受けることがなかったという事実と密接不可分の関係にあると言って間違いはない。
・「金融危機」は、21世紀に入って初めての「本格的不況」の幕開けを彩る「事件」に過ぎないといえるかもしれない。デフレが世界経済の基調として、いよいよ21世紀を通じて、世界経済を動かす最大の特徴となろうとしている。



千載一遇の大チャンス(長谷川 慶太郎)


ビジネスマンのための「読書力」養成講座 (ディスカヴァー携書)(小宮 一慶)


3398冊目(2009-01-12読了)


小宮一慶さんの養成講座第4弾。


ひとこと要約
 読書には、速読、通読、熟読、重読がある。対象によって、ロジックの重さによって使い分けるべきもの。
 頭をよくするには、自分より論理レベルの高い人の本を、じっくり読む。その「ロジックを理解」することが大切。



 対象、目的によって、読み方は変わるべきという主張は、その通りと思わされた。

 従来の読書術本と比べると、熟読、そして重読(何度も読む)が強調されている点がユニーク。

 確かに、再読することで、本を読む力があがるとは言われていた。

 それを頭の良さ、で説明している点に小宮さんらしさを感じた。



 小宮さん自身が意外にも多読家ではない(月に4、5冊とのこと)ことに個人的には驚かされた。他のメディアで情報を得ておられるのだろう。

 本書には、小宮氏がおすすめする本が多数あげられている。厳選されている感があり、それらを読むだけでも力がつくだろう。



 読書をしないとと思いながらも時間のあまりとれない方におすすめです。


目次

速読
通読レベル1
通読レベル2
熟読
重読
読書力を高める八つのポイント


ラインマーク
・速読-情報を素早く得るためだけのもの。通読-小説など楽しみのためにする読書=通読1、論点を整理し、考えながら読んでいく=通読②。熟読-いろいろなことを参照しながら読む、頭を良くする読書法。重読-繰り返し読むこと。
・まず頭をよくしてから、いろいろなことをやったほうが結局は得をする。できる限り若いうちに頭をよくする。
・速読は、あらかじめ自分が知りたいことが分かっている人が、それを手に入れるための手段。
・重読のまとめ-同じ本を繰り返し読む読書法。目的は、自分の考え方を高めること。つまり自分の哲学を持つこと。哲学とは是非善悪の判断基準。すなわち、重読とは、「意味」を得るだけの読書ではなく、「意識」を高めるための読書。重読に向いた本は、論理的な本というより、ほんとうに人生を知った人が書いた本。
・わたしは、いわゆる多読家ではない。つきに読んでもせいぜい四、五冊。



ビジネスマンのための「読書力」養成講座 (ディスカヴァー携書)(小宮 一慶)



「仕組み」整理術(泉 正人)

3397冊目(2008-12-31読了)


仕組み仕事術の著者による「続編」。


ひとこと要約
・「統一化」「一元化」「自動化」が「仕組み整理術」の基本
・「フロー」と「ストック」に分けて考え、それ以外は全部「捨てる」
・整理のルールを守るため、「ルールが自動的に飛んでくる」仕組みをつくる



時間の捻出(ねんしゅつ)こそ、整理の大きな目的、と著者は言う。

その通りだろう。その意味で、仕事において整理は大きな力となる。

その場で判断し、捨てるか保留するかを決める、

使い終わったら即座に戻す、

フローとストックに分け、フローは手元に、ストックは本棚に、

アウトルックのリマインダー機能(アラーム)を使い、ルールさえも自動的に確認する


など、様々な整理に役立つルールやそれらを実現するための「仕組み」が紹介されている。

整理についても、そのルールを忘れることが多いもの。

ルールを忘れないよう、仕組み化するという発想はなかなか有用だと思わされた。



私自身、整理本などをかなり読んできているが、本書の印象は「基本を押さえつつも新しい」というもの。

前著とかぶる部分は多面にあるが、整理に関するお勧めできる本になっていると思う。


仕事力を上げたいビジネスパーソンにおすすめです。


目次
PART1 なぜ、整理が必要なのか?
PART2 書類&机まわりの整理
PART3 PC&メールの整理
PART4 頭の整理
PART5 時間の整理


ラインマーク
・捨てるが整理にとってはキモ
・フローは、二段トレーやクリアファイルなどで管理している
・クリアファイルには表紙をつけ、ファイルボックスに保管
・デスクトップに置くのは、大分類のフォルダ10個程度に
・バックアップはスケジュールを決めて定期的に
・やるべきこと、気になることをすべて書き出すことから
・自分が口を挟まなくても、部下が問題なく、確実に、素早く仕事を実行できるような「仕組み」を作ってあげることがマネージャーの大きな役割
・非常に細かいマニュアルとなっているチェックリスト
・「作業系」は仕組みで短時間で



「仕組み」整理術(泉 正人)


本当に頭がよくなる1分間勉強法(石井 貴士)

3395冊目(2008-12-29読了)


プチリタイヤなど、ユニークな主張で有名な石井貴志氏の読書・勉強本


ひとこと要約
 単に感じ取りながら、本めくり、気になるページ、胸騒ぎがするページの端を折り、後でそのページだけ読む。
 勉強の極意は「短い時間で何度も繰り返す」である。



かなり極端な内容の読書術であろう。なにしろ、見開き2ページを、0.5秒ずつでめくっていくという読み方だから。

しかし、でたらめだと切り捨てるわけにもいかないように思う。

その本から、1箇所でも2箇所でも人生に役立つ内容を拾うことができれば、本代を回収することができるからだ。

最も貴重な資源である時間を有効に使う意味では、このさーっと読む方法は有効かも知れない。

しかし、注意すべきは、1度めくって、それで終わりにしないこと。その本をわかったと思わないことだろう。

良いことがたくさん書いてあると思ったら、時期をあけて何度かもう一度全ページを読み直すべきだろう。

環境の変化、自身の心境の変化にあわせ、同じ本から違った発見があると思うからだ。

そうした点に留意すれば、併用可能な方法であるかもしれない。


本書の構成自体は、冒頭より中ほどぐらいまでは、いわゆる「効能書き」。すごい勉強法だという期待感を高める内容が続く。

おそらくは、内容自体がシンプルなため、文章量が足りないゆえにそうなっているのだろうと推測するが、残念ながら、やや情報商材に近い臭いを感じさせる結果になってしまっていると思う。


勉強法に関心のある方におすすめします。


目次

序章 「1分間勉強法」のしくみ
第1章 勉強ができないから「1分間勉強法」が生み出せた
第2章 「1分間勉強法」の4つのメリット
第3章 「1分間勉強法」の4つの特長
第4章 「1冊1分」を可能にする能力とは?
第5章 1冊1分で勉強する「タイム・マジック」
第6章 60冊分を1分で復習する「カラー・マジック」


ラインマーク
・手で書くとものすごく時間がかかる
・「見開き2ページを1秒で見た瞬間に、直感でリーディングしてよみとれた情報こそ、実は、もっとも価値ある情報
・記憶術でも暗記術でもなく、「ただ単に、本の1ページ、1ページを感じ取って、めくっていくだけ」



本当に頭がよくなる1分間勉強法(石井 貴士)