『学校では習わないけれど、皆様に知ってほしいとても大事なことがある。そう思いながら、 3人で力を合わせてこの一冊を書き上げました。この本を読んでいただくことで、間違った情報で苦しむ方が一人でも多く減るのであれば、これに勝る喜びはありません』（本文より）

津川友介先生、勝俣範之先生、大須賀覚先生　

私が尊敬申し上げる3人のスペシャリストの共著です。健康を大切になさっている、あなたに自信を持って推薦出来る一冊です。

『教育レベルと収入が高い人ほど、怪しいがん治療法に騙されています』（本文より）

非常に由々しき問題です。がんを治せるならいくらでもお金を出してもいいと思っている方に対して、怪しい治療法を売りつける業者が実際に存在することも事実です。

以下本文からの要約です。

がんと食事について研究で分かっていること

現在健康な人が食生活を変えることで、がんになるリスクを下げることはできるものの、一度がんになってしまった人が、食生活を変えてもがんを治すことはできないと考えられています。これが結論です。

食事とがんに関する科学的根拠について、まだわかっていないことも多いのです。

私たちはがん患者さんにとって食事が重要でないと言っているわけではありません。食事はあくまで医学的治療をサポートする役であり、その代わりになるほど強力なものではないことに注意する必要があります。

やはりがんを治療するには手術、放射線治療、抗がん剤治療の３つ（標準治療）と早期の緩和ケアが最も有効です。これらをサポートする形でなら食生活を変えるのは良いと思います。ただし、通常の標準治療はぜひ続けてください。食事は治療の主役ではなく、脇役と考えるのです。（p110~133）