※小説の内容にふれますので、ご注意ください。
江國香織さんの直木賞受賞作「号泣する準備はできていた」の中の2篇目の小説です。
”じゃこじゃこのビスケット”とは、到来もののビスケットの詰め合わせの中で『最後まで残るビスケット』のことのようです。このビスケットに、主人公の私(真由美 17歳)は、自分自身を投影しているようでした。
私(真由美)には兄と姉がおり、 2人とも先んじた人生を歩んでいます。真由美自身は、当時の暮らしに”最後まで残ってしまう”じゃこじゃこのビスケットに自分自身が重なってしまいます。大学生の彼と付き合っている周りの友達たちが眩しく映ったのでしょうか、そして追いつこうと思ったのでしょうか…真由美はある思いを胸に、小学校の同級生と「海に出かけよう」と、誘います。
その海に行った時の思い出は、決して輝かしいものではありません。ただ。結婚した今も、当時を振り返り不思議と思い出してしまうのは、なぜなのでしょうか。
当時は自分が正解だと思っていたもの、『でたらめばかり信じる17歳だったこと』
真由美にとってこの思い出は、今生きていること、これから先進もうとしている道に何かしらの示唆を与えてくれているのでしょうか。
誰にでも一つや二つ思い当たるようなことがあるかもしれません。江國香織先生のこの作品は、私にもそのような思いを導いてくれました。
生きていく上で、迷うことはたくさんあると思います。そのような時も『何かしらの正解』を自分の中で選択し、導き出していく必要があると思うのです。その答えが数年後に出る場合もあるでしょうし、年を重ねるごとに変化していくこともあると思うのです。それも”生きていくこと”そのものなのではないでしょうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。あなたに幸運が訪れますように。
