『ジェーン・エア』
http://janeeyre.gaga.ne.jp/
監督 キャリー・ジョージ・フクナガ
ミア・ワシコウスカ(ジェーン・エア) マイケル・ファスベンダー(エドワード・フェアファックス・ロチェスター)
ジェイミー・ベル(セント・ジョン・リヴァース) ジュディ・デンチ(フェアファックス夫人)
というわけで、映画の「ジェーン・エア」を観てきた。ミア・ワシコウスカさんは、美人ではないジェーンにはぴったりだし、ロチェスターから愛を打ち明けられるシーンの喜びの表情がなんとも可愛らしかった。マイケル・ファスベンダーは渋くていい男で、美男子ではないが魅力のある男のロチェスターとしては、いいんじゃないでしょうか。信仰第一のセント・ジョンのジェイミー・ベルは、それほど出番が多くないので、いいとも悪いとも。さすがの貫禄ジュディ・デンチさんは、フェアファックス夫人にはぴったり。もっとも、お話の中ではそれほど重要でない役どころだけれども。
ジェーンがロチェスターの屋敷を飛び出し、ムーア・ハウスにたどり着くところから始まり、子供時代や、ロチェスターとの出会いからジェーンの出奔までは、回想シーンとして描かれる。子供時代はだいぶ割愛されているが、まあそれほど気にならない。
原作と違うところをいちいちあげつらうのも野暮な話である。が、それでも気になったところがいくつか。
セント・ジョンがジェーンのもとに彼女に莫大な遺産が入ったことを伝えに来る場面。ノックの音にジェーンがドアを開けると、そこに立っていたのは、なんとロチェスター! 二人は口付けを交わし、で、次のシーンで、ドアの外に立っているのはセント・ジョン。つまり、ロチェスターはジェーンの空想であったというわけだが、これは要らんだろう。ジェーンの心の中には常にロチェスターがいるということを表現したかったんだろうけど、ここでそれを表現する必要もないし、第一映像的に分かりにくかった。
謎の女グレイス・プールの存在感が希薄、というより、ジェーンが彼女を意識することは映画の中では一度もなかったはず。つまりは、怪奇趣味的な要素がほとんどなくて、それはそれでいいのだろうけれども、そのせいか、ジェーンがロチェスターの妻と引き合わされる場面が、あまり衝撃的ではなかった。衝撃的でないといかんのかと言われれば、そりゃ人それぞれでしょうと言うしかないが。それよりも、ロチェスターの初婚の事情がなんかよく分からん。いや、こっちは原作読んでるんで分かってるし、映画の中でもロチェスターが説明してはいるんだが、このロチェスターの説明があまり説得力がないような気がしてね。原作知らない人がこの映画を見て、ここんところすんなり受け入れられるんだろうか?
その後のロチェスター氏の事情の語り手として、原作ではお暇を出されていたフェアファックス夫人のM、じゃなくて、デンチ女史登場。ま、いいか。これだけの大物、ギャラも高いんだろうから、使えるだけ使っとけばいい。別に不自然じゃないし。
でもね。その後のジェーンとロチェスターの再会シーンはがっかり。使用人のジョンとメアリ夫妻が全然出てこないのでエンディングはどうなるのよ、と不安に思っていたら、案の定ロチェスターとジェーンが直接対決(^_^;)。ジェーンがメアリに代わって水を運んだり、思わせぶりにセント・ジョンの話をロチェスターにして彼の嫉妬心をかき立てたりという、私としてはこの小説のもっとも好ましい部分がなくなっているというのが、なんとも残念。
