こおろぎの夢を見る時、自分が自分でなくなっていく

のを実感する。焼け爛れた胃の中を肉が踊り狂い、細

菌を撒き散らす。もがき始めた大動脈が、点滴を受け

付け可能性を探り出す。俺は、くそやろうだ。叫び

づけることで餌を拾い、死んでいくこおろぎを踏み

潰す。感覚は、無意識のうちに身体を超越し、単純

な肉の塊が転がるように別れを告げる。あいつが

言ってた。混沌の中に秩序を生み出すために心は存

在していると。生産は矛盾の境地で破壊活動を行い、

信じられないぐらいのスピードで、世の中を食い

尽くしていく。簡単なことだ。短絡的に物事を捉

えることから人は成長を覚える。存在しない言語の

中に真実を見出し、才能の曲芸の中で神経を

研ぎ澄ませる。核が自分を刺激し、核膜を粒子が

飛び出していく。溶けそうな脳をしっかりと頭の中

に固定し、天秤にかかった命の切れ目を時間の中に

据え置くのだ。感動を覚えるたびに静寂が訪れ、

無に陥る。言葉で物事を解決するたびに、憤り

の谷底に転落し毒ガスを肺の中に溜め込む。

そうやって俺は生きているのだ。書きとめていく

言葉の羅列の中に自分が埋没していき、ユートピア

の幻覚が脳裏を過ぎ去る。自殺願望と生存

願望の両極に挟み込まれ、精神の統一に時間が

かかるのだ。浮き出た血管にグリーンの色素が宿り、

皮膚が骨格を包み込む。整理整頓が必要だ。

何から始めればいいのかわからないまま結果

の中で生きている。神がいるならば、鏡の奥にある

現実と虚像の分岐をはっきりさせるべきだと法廷

で争うことになるだろう。体を蝕む全ての茶番に

一喜一憂しながら、積み上げられていく

文字で埋め尽くされた壁の向こうに俺は真実を

見ているのかもしれない。


 

映画にもなっているが、ドアーズのジムモリソンは、狂おしいほど鮮烈な詩人である。

その詩と幻惑的なオルガンは、心の中にネチャネチャとまとわりつき、心の中をかきまわしていく。私は、クラブでハウス、ダンスクラシックスのイベントをオーガナイズしていたが、ドアーズのライダーズオンザストームなどは、クラブでもDJがかける、ジャズファンクともとれるような音楽性も持っている。

ハートに火をつけてももちろん名曲だが、エディプスコンプレックスがテーマとなっているジ・エンドは圧倒的である。まー、その曲が元でクラブを首になるのだが・・・

彼は、ニューへブンで演奏中に性器を露出し、逮捕されている。

彼がそのときに発した言葉は非常に印象的である。

「僕一人だけが、あのような行為をしたから、逮捕されたんだ。もし会場の中にいる全員が同じ行為をすれば、警官はだれも逮捕できないだろう。」

その後その言葉はラジカルな若者たちを煽動し、マリファナを100パーセントライブで普及させ、警察官もみて見ぬ振りをする事態を生み出している。強烈なカリスマを持つ詩人、ジムモリソン。彼の陰気な声は、

心の深い淵に、歪んだ糸を垂らしてくれる。


知覚の扉が拭い浄められるとき

万物は人の目のありのままに無限に見える 

ウイリアム・ブレイク「天国と地獄の結婚」


タイトル: ドアーズ
アーティスト: The Doors
タイトル: The Best Of The Doors
アーティスト: The Doors
タイトル: The Doors

このテーマで外せないのがNirvanaのボーカル、カート・コバーンです。

エレファントのがガスヴァンサントがカーとの死ぬ直前の映画を撮ったらしいので、賛否両論はあるかもしれませんが、ぜひ見たいと思っています。

中学のころから、カートにはまり、現在でも色褪せることは無いです。

カートが自分の口にピストルを突っ込み引き金を引き自殺してから彼の本がたくさん出ました。まさか、彼の本がそんなに出るなんて、夢にも思っていませんでしたが・・・

彼のシャウトには彼の人間性がよく表れている気がします。

シャイな彼と、狂気の彼の狭間で揺れ動く、倒錯した心情が吐露されているようです。

デビッドボーイはジギーというペルソナを彼の中に宿し、別人格を楽しんでいましたが、カートは、生身のカート・コバーンで生きたのだと思います。

一人の人間が、ロックスターと私生活の自分という人生を生きることは、ナイーブなカートには大変なことだったのかもしれません。

最後にそんなカーとの遺書を「カート&コートニーリアルワーズ」から拝借して一部紹介したいと思います。


いい人生だったよ。本当にいい人生だった。ただ俺は7歳のころから人間全般に憎しみを抱くようになっていたんだ。たぶん、単純に俺は人を愛しすぎ、人の気持ちがわかりすぎるからなんだろう。今までにもらった

手紙や思いやりに、焼けただれた腹の底から礼を言うよ。俺はどうしようもなく変人で気分やだから、もう情熱を失ってしまったんだ。覚えておいてくれ、消え去るより、燃え尽きたほうがいいんだってことをな。

   平和、愛、同情、カート・コバーン    1994 4月


著者: ニック ワイズ, Nick Wise, 染谷 和
タイトル: カート&コートニー リアルワーズ



アーティスト: Nirvana
タイトル: Nevermind
アーティスト: Nirvana
タイトル: Bleach
アーティスト: Nirvana
タイトル: Incesticide
アーティスト: Nirvana
タイトル: In Utero
アーティスト: Nirvana
タイトル: Unplugged in New York
写真好きのスケートボーダーだった、彼はニューヨークのセントラルパークにいるところを写真家のラリー・クラークに見出された。10代にしてクラークの映画「KIDS]  の脚本家として注目を浴びる。その後 「ガンモ」 、 「ジュリアン」 、 などの素晴らしい作品を次々に発表。そして、再びラリー・クラークと組み、 「KEN PARK」 の脚本をてがけた。著書に「クラックアップ」 がある。

狂人度★★★★

ハーモニー・コリンの作品を見て、何て奥深い内容だ。なんて言うやつは調子に乗ったエセ評論家です。

はっきり言って、ハーモニーコリンの世界に足を踏み入れて、意味を求めるのは無駄なことです。

彼の心に潜むピュアな破壊活動の意味を理解することなど出来ないと思います。よく意味がわからないという発言を耳にします。意味がわからなければ駄目なのですか?世の中はそんなに意味のあることに溢れているとは思いません。作品を意味から捉えるということは、頭の中で何かを解釈して自己満足することに過ぎないのかもしれません。彼の作品はストーリーというものを越えているのです。彼の作品を見て誤解することは無いと思います。フランスの広告ポスター画の偉人サビニャックは、こう言っています。「ストーリーが無ければ人は誤解しない。」と・・・