最恐の本を探せ!
それほど大仰な話ではありませんが約1年ほど掛けてホラー小説を読み漁っていました。元々ホラーは苦手で避けていたのですが、いざ正面から向き合ってみると予想以上に楽しめる分野です。
例えば私は『内面の異質』が怖い。普通だと思っていたものが異質と気付き対処不能だと認めた瞬間から恐怖の対象となります。きっと正常から異常へシフトしていくような展開が私にとって一番怖いのだと思います。
今回は私1人だけの選定では無く、読書会の方々に最恐の本を幾つか挙げてもらい集計してみました。
結果的にホラー・サスペンスの多い構成となっています
・黒い家(貴志祐介)

間違いなくトップクラスに怖い、文句無しの名作だと思います。
最終的に『生きている人間が一番怖い』という答えに辿り着くというけれど、これがその最たる例かもしれない。
映画の方も素晴らしい仕上がりでしたが、映像ではオブラートに包まなければならない部分も多いですから
真の恐怖を味わいたい人は必然的にこちらが推奨されるのではないでしょうか。
・くじ(シャーリー・ジャクスン)

やはりここでもランクイン、この人は天才と呼ぶに相応しい小説家だと思う
ジャクスンの書き上げる文章は人を蝕み狂わせる、強烈な文章表現力の持ち主です。
他にも『たたり』『ずっとお城でくらしてる』もお勧めです
読み終えた後、頭を掻き毟りたくなる厭な余韻が味わえます。
・ぼっけえ きょうてえ(岩井志麻子)

『ぼっけえ きょうてえ』とは岡山弁で『とても怖い』という意味らしいですね。短編だからと気を緩めていると危ない、これは本当に危ない。
方言による語りが臨場感と説得力をグッと底上げしています。最後まで救いの無い話になっておりますので強い心を持って読んで下さい。
・屍鬼 (小野 不由美)

小野不由美といえば十二国記が有名ですが個人的には屍鬼に軍配といいますか、悪霊シリーズが大好きなのでその流れで行き着いた作品です。
心霊現象と自然現象の違いを理路整然と解説していく作者の知識量が凄いですね。ホラーと聞けば何でも怖くしてしまうのでは無く、本当に怖いのは何かを教えてくれる貴重な作家です。
・姑獲鳥の夏 (京極 夏彦)

京極『百鬼夜行シリーズ』長編小説の第1弾
妖怪や憑き物のエピソードが多い事から伝記の色合いを感じる日本特有の推理小説です。
正体不明を意味も分からず怖いとせず、言葉によって紐解き普遍化させてゆく
逆に言うと幽霊や妖怪といった類は、人が現象に名を付けた事で大きな幻想を持ってしまった。
こうなると人は盲目的になる、単純にそれを怖いと思うようになる。
京極夏彦の圧倒的な言葉の力が世の幻想を晴らしていく驚異的な作品です。
複雑難解&玄人向けなので『気軽な読書』とはいかないでしょうが、読み応えと面白さはお墨付きです。
秋の夜長にじっくり腰を据えて挑みたいですね
-あとがき-
本来は夏頃に挙げる予定でしたが候補作品が一気に増えた事で冬になっていまいました。まだ未読の作品が山積み状態なので、そのうち第2弾を挙げようかと思っています。
貴方が思う最恐の1冊も募集しています。コメント欄や拍手コメントにてお聞かせ下さい