よくニュースなどを観ていると、
「被災地の皆様、いろいろ大変だとは思いますが、これから
復興に向けてがんばってください」的なコメントをしているのを
聞く。
別にね、言っている本人はテキトーには言っていないだろうし
善意から出ている言葉だよね。そしてつい結びの言葉で言って
しまうんだろうね「がんばってください」と。
オレは簡単にその言葉だけは言えない。
多くの愛する人を突然失い、家や財産も失い、ただ途方に暮れ
ている人たちを前に、オレたちはつい言ってしまう
「がんばってください」と。
もう20年も前になるが、父が急逝した。
明日も元気良く会社に行くと思っていた父が、あと3ヶ月で定年
を迎えあれこれやろうと思っていた父が。
冬の寒い日に胸が苦しくなって起きたら、そのまま・・・
オレが駆けつけた時は既に病院で少し小さくなっていた父。
そして葬儀の時多くの人はこう言った。
「これからお父さんの分までがんばってね」
「泣いていたらお父さんも悲しむわよ、だからがんばるのよ」
その時オレや母はこんなことを言われて何も言えないよな。
でもね思ったよ。
「え?これでもがんばっているんだけど、
まだ何をがんばらないといけないの・・・?」
「父が亡くなっても泣いてはダメなのかよ・・・」
時にはね、「がんばってください」って励ましの言葉が傷付けることも
あるんだよ。そして結果その言葉が余計にその人を追い込んでしまう
ことだってあるんだよ。
途方に暮れてから、いろいろなことが落ち着いて初めて悲しみを実感
できる。しばらくして母は「もうここには住めない」と言った。
何気ない風景を見るだけで、父との想い出が甦るから・・・と。
他人からすれば、ただ悲しんで、落ち込んでいるようにしか見えない
かもしれない。
元気がなく、メソメソしている姿にしか見えないかもしれない。
他人からすればもっとシャキっとして欲しいと思うかもしれない。
でもね他人はそう感じてしまうんだろうけど
それでも本人は必死で毎日を生きているんだよ。
何とか自分で心の折り合い(納得感)を少しでも得ようと
しているんだよ。
だから・・・
単なる結び言葉で「がんばってください」なんて言って欲しく
ないんだよ。
ただそばにいるだけでもいい
ただ話しを聞くだけでもいい
見守ることだけでもいい
「がんばってください」などという半ば突き放すのような言い方では
なく、癒すことしか「その人の心の復興」はできないからね。
「~してあげる」という言葉も好きじゃない。ここには無償ではなく
見返りを求めるものがどこかに(少しでも)存在するから。
「~してあげる」と思うなら、さっさとやればいい。
「~してやった」と公然と言うヤツほどロクなヤツはいない
からな・・・